おもしろいゲーム・推理小説紹介

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推理小説、マンガ、ゲームなどの解説・感想

◯初めての方にお勧めの記事!

【追記】ゲーム「スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE」を語る

~はじめに~

 本日は、2022年10月27日に発売されたスターオーシャンシリーズ最新作「スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE」について、両主人公での本編クリア、隠しダンジョン制覇・トロフィーコンプリートまでプレイしたので感想を述べたいと思う。

 

 

 

            

 

 

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スターオーシャンシリーズとは

スターオーシャンシリーズは1996年に第一作が発売されたトライエースが主に開発を務めるSFファンタジーRPGである。これまでにナンバリングタイトル5作と外伝1作、その他関連書籍やソシャゲが展開されており、25周年となる国産RPGとなっている。ゲームの特徴などについては下記の記事やサイトをご参照いただきたい。

www.jp.square-enix.com

 

 

プレイした感想

【ストーリー】 

一言でまとめると濃いストーリーだった。スターオーシャンシリーズはファンタジーとSFとを融合させたストーリーが特徴であるが本作では前半はファンタジー寄り、後半はSF寄りになっておりスターオーシャンらしさがよく出ていた。設定や伏線もきちんと考えられており、ファンタジー好きもSF好きも楽しめて、クリア後にモヤモヤしないスッキリしたものだった。特にSFの設定については細かく考えられておりこれこそがスターオーシャンだと嬉しく思った。一方で物語のきっかけとなる「遠く離れた惑星にある同じものが存在する理由」については敢えて答えを明示しておらず、シリーズファンにはあれこれ考察する楽しみを残していてくれている(続編で明らかになるのか?)。

 細かい点を述べていくと、各所にシリーズ過去作を彷彿とさせる設定や展開があり、シリーズファンとしては懐かしさを感じつつも全く新しいゲームをプレイできる喜びを感じた。例えば、不治の病が流行しそれを治療するために山に薬草を取りに行く様子はSO1を彷彿とさせ、ダブルヒーローシステムや冒頭の主人公同士の出会いの場面、兵器を完成させるのに必要な鉱石を遺跡に取りに行く場面などはSO2を思い出した。また、先進惑星の人間が未開惑星の兵器完成のために技術支援し国家間戦争を勝利に導く様子はSO3を感じたし、機械生命体のコロニーでの情報収集や敵が攻めてくる展開はSO4のEnⅡのことを思い出し、航宙艦同士の戦闘や先進惑星の未開惑星への非人道的な介入などはSO5を彷彿とさせた。上記の通り各シリーズ作品の良いところをうまく組み合わせて全く新しい作品を創り上げている印象で、まさにシリーズ25周年に相応しいストーリーだったと思う。

 

【クリア後のおまけ要素】

・隠しダンジョン

 クリア後の隠しダンジョン・やりこみ要素についてはトライエース作品の醍醐味で、本編と同じくらい楽しみにしているが、前作・前々作では質も量もユーモアも足りていなかった。シリーズ最高のクリア後ダンジョンだったのは個人的にはSO3DCであり、本作もそれを超えることこそなかったが、ユーモアについては満足で量があれば満点だった(オマケ要素なので本編に集中してもらえたなら構わないが)。詳細はネタバレになるので控えるが、シリーズファンが非常に嬉しくなるような25周年らしい内容だったと思う。

 

・ゲーム内ミニゲーム

 ゲーム内ミニゲームであるSOA(ソーア、スターオーシャンアナムネシスの頭文字より)については初めは難しそうに感じたが、実際やってみると非常に簡単でNPC相手だと少し物足りないが、誰でも楽しめるよう良く練られたゲームだと思う。ソーアの駒は強力なファクターを持ったアクセサリーにもなるという点が良く、ソーアのためだけでなく単純に強力なアクセサリーを収集する目的で駒を集めることができた。

 

・プライベートアクション(PA

 シリーズ恒例のプライベートアクションについては大満足だ。ダブルヒーローシステムのためそれぞれの主人公ごとに異なる内容であったり、同じPAでも反応が異なるなど趣向が凝らされていた。PAの数も多く、ユーモアや意外な事実(断言されていない部分もある)、色々なパーティーメンバー同士の絡みが見られてキャラに愛着や親近感が湧き、PA本来の役割も十分果たしていた。ただ聞くだけでなく返答を選択肢から選べる恒例のシステムも健在でキャラの気持ちになって楽しめた。一応選択によって感情値が変化し個別エンディングが変わる仕様だが、そこはあるアイテムで調整可能なので気にせず好きなものを選べるのもよかった。

 

・アイテムクリエイション

 こちらもシリーズ恒例のアイテムクリエイションは、GALAXYでは本編クリアまではほとんど使用する必要がなかったが、より上の難易度や隠しダンジョンでは必須とも言えるくらい強力な武器や防具を作り出せる仕様で、いい感じにゲームバランスを調整していたと思う。アイテムクリエイションの難易度自体はSO2と同じくらいでSO3よりは遥かに簡単なものの、強力な物には莫大なコストが必要であり、その為に敵を倒しまくるといった流れはSO3を思い出して楽しかった。といっても、本作ではスキルやアイテムをうまく使えばレベル上げや資金稼ぎは楽にできる印象で大変になりすぎないよう調整されていたと思う。

 

 

【システム】

・フィールドアクション

 まずフィールドアクションについては今回初めてDUMAという機械生命体によって一定の距離空中を飛んで移動できるようになった。一見単純そうなシステムだが、フィールドの作り込みを縦にも広げる必要があり制作側の苦労は計り知れない。単にこのシステムを導入しただけでなく、これを使ったギミックや探索要素、さらにストーリーとの融合まで本当によく使いこなしていると感じた。レビューによっては飛べる距離や角度に不満も見られるが、このくらい制限されることで探索の難易度が調整されていると思われ、個人的には不満はない。宝箱をサーチするシステムも範囲が狭いなど言われているが、個人的にはプレイヤーを補助しつつも探索の楽しみを残してくれているのだと感じた。

 

・画質、デザイン

 画質についてはPS4でプレイしたということもありややカクつく場面も見られたが、イライラするほど致命的なものではなかった。イベントシーンなどは美麗で思わず見入ってしまうほどだ(このクオリティで過去作リメイクしたらとんでもないことになるだろう)。個人的には航宙艦の戦闘シーンはSO3くらい細かく描いてほしかったが、政策の手間を考えると仕方ないだろう。キャラデザインは前作、前々作より違和感は少なく万人に受け入れられそうでありつつ個性を持ったキャラが出来上がっていた。CVは始めレイモンドの声に違和感があったが、プレイしているうちに違和感は無くなった。

 

・メニュー画面

 メニュー画面の操作性や設定は本作で一番残念な部分かもしれない。タブの切り替えが方向キーでなくLRであり1と2も入り混じっているため未だに間違えることが多い。またパーティーメンバーが一度抜けるとアクセサリーが全て外されるという設定もメンバーが激しく入れ替わる本作では致命的だ。装備はソートで並び替えられるものの、同じアイテムが全て別に表示されており(ファクター違いなどもあるため仕方ないのかもしれないが)、目的のものを見つけるのが大変だ。せめてワンボタンで最強装備(防御力と攻撃力が最大)になる過去の仕様があればよかったのだがそれもない。スキル設定・習得画面も少し戻らないとキャラの切り替えができないないなど地味に不便なことが多い。この辺りの不満は人にもよるかも知れないが、レビューではよく聞かれる声であり、次回作では改善されていることを期待する。

 

・戦闘システム

 戦闘システムはDUMAによる高速移動と方向転換によるブラインドサイト通常攻撃が無く全てAPを消費して攻撃を出すシステムなどこれまでと大きく異なるもので、シリーズファンの私からするとやややりづらい面もあったが、なれると爽快で売り込み通りシリーズ最速の戦闘を楽しめている。欲を言えば敵に攻撃されて怯むと最大APが減る仕様について、ガードレスを持っているキャラと持っていないキャラで判定を変えてほしかった。ブラインドサイトはザコ敵や特定の敵では非常に有効だが、使えない敵も多くこれ一辺倒にはならないよう工夫されていた。

 

・トロフィー要素 NEW!

 まず宝箱コンプリートについて。このトロフィーはクリア後ダンジョンを除く全242個の宝箱をすべて回収するというもの。本ゲームではDUMAによる宝箱サーチシステムもありそんなに難しくなさそうだが、いくつもの要素が絡み合って微妙に取りづらくなっている。まず一つは宝箱サーチにかからない・かかりにくい宝箱が存在すること。また、荷物がいっぱいだと宝箱の中身が回収できないこと、そしてPS4だと宝箱が残りいくつ残っているかわからないためゴールが見えないことだ。私ははじめレイモンド編でコンプリートを狙ったが、ネット情報を見ながら何回確認して回ってもトロフィーを獲得できず、最終的にはレティシア編で改めて回収して回ってようやく獲得することができた。PS5では宝箱の回収数がわかるらしいがPS4でも何とかしてほしかった。

 また、次に大変だったのがアイテムクリエイション90%以上である。こちらも残りいくつか確認できないうえに本作では過去作同様アイテムクリエイションで作れるアイテムの種類が非常に豊富で大変だった。武器や防具は購入したものと混同してしまうため2個ずつ作成し、一番大変だったのはポーンの駒である。そもそも作成確率が非常に低いうえに細工を行うキャラクターによってもできやすさがあるらしく時間的にも資金的にも莫大になってしまった。とはいえクリアした今となってはやりがいがあって面白かったと思う。

 そのほかのトロフィー要素についてはレベル上げやアイテムクリエーションを駆使すればそれほど難しいものではなく(通常難易度でプレイした場合だが)、それほどトロフィーコンプリートは難しくなかった印象だが、やりこみ要素が物足りないといった感じもなく、ちょうどよかったのではないかと思う。

 

・プライベートアクション回収 NEW!

 トロフィーコンプリートが終わったのでまだ回収しきれていないPAの回収を行った。全て回収できているかはわからないがレイモンド編・レティシア編ともに相当数を確認した。まずその膨大な種類に驚かされ、そして全てフルボイスということに驚愕した。声優の皆様、収録お疲れさまでした。いくつかのPAは過去のPAと連動して発生するような内容で、すべて見てみたいというファン魂を刺激された。また本作では「うまい棒」を主題としたPAも非常に多かった印象でPAならではの本編とは関係ないお遊びが非常に面白かった。そして輸送艦アルダスの艦橋ではクロエに話しかけると何度もPAが発生し、開発者側がクロエに非常に思い入れがあるのがよくわかる。内容的にも濃く、面白く拝見させてもらった。 

 

・ストーリー考察 NEW!

 前述のとおり、本作では最大の謎であるなぜレティシアの故郷の星とレイモンドの故郷の星に同じ紋章があったのかということが謎のままにされている。この点についてはファンの方々が各種考察をされていることと思うがここでは個人的な見解を述べたいと思う。

 まず本シリーズでは回復の紋章術は37億年前に人工惑星へと移住したネーデ人しか使えないと言われている。もちろん過去作では回復紋章術を使うキャラが毎度登場するのだが、彼らは祖先・もしくは遺伝子にネーデ人と何らかのつながりを持っているとされている(ネーデ崩壊時に人工惑星に移住した以外にもネーデ人が宇宙中に移住した)。このことから鑑みるに、本作の舞台であるアスター4号星で回復の理術(=紋章術)が使われているのはネーデ人の血を引いているためではないかと思われる。実際、理術発祥の地であるニルベスの族長であるマルキアネーデ人の特徴である尖った耳をしており、ネーデ人と現地住民の末裔なのではないかと思う。そしてニルベスの遺跡奥に眠っていた紋章(アスター4号星ではこれを解読して紋章術が広まった)と、レイモンドの故郷であるベグアルドで見つかり、ベグアルドが紋章動力で銀河連邦を凌駕するに至ったいわゆるオーパーツともいえる紋章が同じであったことは、両者がともにネーデ人が残したものであるからではないかと思う(もしくはFD人が残したもの?)。

 さらに突っ込むと、本作から120年余り後に銀河連邦ではクリエイションエネルギーという莫大なエネルギーが実用化されるのだが、これはベグアルドの紋章動力技術が利用されているのではないかと思う(本作ではベグアルドは銀河連邦への加盟を断っており、そのため銀河連邦では100年以上先に実用化された?)。ネーデ人はクリエイションエネルギーや時空転移シールドの技術を持っていたようであることなどから何か関係がありそうだと感じている。何も確証や証拠はないが次回作などでこの辺のテーマが扱われたら面白い。

 その他少し思ったこととしては、SO3で登場するアールディオンという銀河連邦に勝るとも劣らない軍事惑星国家があるのだが、実はこのアールディオンは星そのものが一つの生命体だとされており(アールディオン人は母星という核を中心に生まれた一つの生命体であり、彼らは本星の一つの意思によって動かされていると辞書に書かれている)、これは本作で登場した機械生命体スコピアムや総統派スコピアムの残党と何か関係があるのではないかと勘繰ってしまう。

 また機械生命体のような意思を持った存在としては、SO4で登場した「Ex」が思い出される。スコピアムコロニーの仮想空間での情報収集の描写などもExと出会い会話した時の様子を思い起こされるような流れになっており、実はExもスコピアムの一種なのではないかと考えてしまう。もちろん関連を裏付ける記述は全くないが、全く無関係のものをシリーズ中に似たような描写で登場させることはないと思うので何かあるのではないかと期待している。

 また、冒頭のシーンやPAの中でクロエが星占い(卜占)に凝っているという会話が聞かれる。一見意味のなさそうな描写ではあるが、SO3をプレイ済みの人からすると、星が騒がしいという発言や星の動きから未来を占うというのは、実はFD人による干渉により微妙に生じた変化を彼らが感じ取った結果なのではないかと考えてしまう。

 以上、何の確証もなく、またより深く考察されている人からする見当違いな推測ばかりかもしれないが、個人的に思ったことを書き留めてみた。

 

 

~最後に~

 総合的には25周年を飾るにふさわしい出来になっていたと思う。新規のファンを意識しつつもシリーズファンのことを考えて各所に遊び要素をちりばめている点が個人的には非常にうれしい。惜しい部分も何か所か見られたがこれらは次回作で改善できれば問題ないだろう。次回作につなげるためにも多くの人に手に取っていただきたい作品だ。

 

 

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ゲーム「ヴァルキリーエリュシオン」を語る(ネタバレ注意)

~はじめに~

本日ご紹介するのは、ヴァルキリーシリーズ最新作にあたる「ヴァルキリーエリュシオン」である。本作については、発売前から公開情報を記事にしてきたが2022年9月29日に発売され、ようやく一通りクリアした。本日はその魅力・感想について語っていきたい。

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~プレイ感想~

①ストーリーに関して

 本作は、前述のとおりヴァルキリーシリーズ最新作ではあるが、これまでのヴァルキリープロファイルとは異なる背景で描かれており、過去作のストーリーが関与することもなく、本作のみで完結する物語となっている。

 基本的には、主神・オーディンによって創造された主人公・ヴァルキリーが、主神の命に従って不死者を倒し、魂の救済を進めていく中で疑問を抱き、悩み苦しみながら道を選択していく物語となっており、ヴァルキリーの神々への抵抗・人間に寄り添った半神という点ではこれまでのシリーズ作品と同様だ。

 タイトルロゴに書かれている英文は毎回その作品の本質を表している。今回タイトルロゴに書かれた文字は「Upon the scales to weigh, a choice that must be made」。ここからもわかるように、神々の思惑を知りヴァルキリーは悩み、何を選択するかによってエンディングが変化していく。

 本作では4つのエンディングが用意されている。一つ目は、ヴァルキリーとしての使命を捨て、人間として生きていく「束の間の逃避行エンド」。2つ目は主神・オーディンを倒し、オーディンと敵対する二級神・フェンリルが生き残る、「主神の黄昏エンド」。3つ目は主神の命に従ってフェンリルを討伐し、現在の世界を捨ててオーディンが想像した新たな世界へと移行する「神狼の黄昏エンド」。そして4つ目が、特定の条件を満たすことでたどり着き、フェンリルオーディンも打ち倒し、ヴァルキリーが主神となり今の世界を救済する「トゥルーエンド」である。トゥルーエンドの条件は明記しないが、ストーリー中で多いにヒントが出されており、初代のヴァルキリープロファイルのように特別難しい条件があるわけではなかった。

 感想としては、ある程度予想通りのストーリーで特に驚きはなかったが、安定のシナリオといった印象。個人的にはもう一波乱あってもよかったとも思うが、今回はシリーズ初のアクションRPGということで、アクション面に力を入れた結果かもしれない。アクションについての感想は次項で述べたい。

 

②アクションについて

 前項でも述べた通り本作はシリーズ初のアクションRPGとなっており、アクション面に力を入れている。戦闘はこれまでのエンカウント方式からシームレスバトルに変わっており、スピーディな戦闘を楽しめる。プレイヤーはヴァルキリーを操り、武器による攻撃・魔法による攻撃・回避アクションなど・そしてエインフェリアを召喚して戦っていく。

 エインフェリアにはそれぞれ属性が設定されており、選んだエインフェリアと同じ属性がヴァルキリーの攻撃に付与されるため、敵の弱点属性に合わせてエインフェリアを変えながら戦うのが基本だ。エインフェリアの召喚や魔法の使用にはそれぞれ特定のゲージを消費するため、特殊な攻撃を当てたりコンボをつないだりアイテムを使うことでこれらのゲージを維持しながら戦っていく。

 武器も複数種類から選ぶことができ、敵は弱点属性のほかに弱点武器が設定されており、特定の武器で攻撃することで与えるダメージを大きくすることができる。武器はアイテムを使ってレベルを上げることで強化され、また多く使用することで熟練度が上昇する仕組みとなっている。著者は基本的に2種類の武器しか使わなかったが、これらを使い分けることでより闘いで優位に立てるだろう。

 感想としてはシームレスバトルならではのスピーディな戦闘が楽しかった半面、少なくともノーマルモードではボタン連打のゴリ押しでも勝ててしまったり、敵が大きく攻撃も派手であるため視界が見えなくなったり壁に挟まれてはまってしまったりとやややりづらい部分も感じた。

 フィールドアクションはソウルチェインというもので高いところに登れる機能などがあるがあまりそれを生かし切れていないように感じた。やはり初代ヴァルキリープロファイルの晶石アクションを意識しているようだが、それには及ばない。逆に言えばそういったフィールドアクションが苦手な方でも楽しめる作品になっている。

 

③やりこみ要素について

 本作ではメインストーリーとは別にエスが用意されており、クリアすることで貴重なアイテムを手に入れることができる。特に前述のエインフェリア召喚や魔法使用に必要なゲージの最大値を増やすものや、武器と組み合わせて性能を上げるもの、強力な魔法・武器などはクリアするうえで非常に有用だ。クエストは大体1つ10分くらいでクリアできるため気軽に挑戦できるのもよい。

 クエストのほかには「欠魂花」という花がフィールドの各所に存在しており、これを見つけることで死者の生前の声を聴くことができたり、エインフェリア関連のクエストをクリアすると各エインフェリアの生前の物語を音声で楽しむことができたりする。

 11月には無料アップデートが入り恒例のクリア後ダンジョン「セラフィックゲート」など更にやりこみ要素が追加されるとのことなので、ぜひプレイしてみたい。

 

~最後に~

 発売前から非常に楽しみにしていた本作だが、若干期待外れな部分はありつつも十分楽しむことができたと思う。また、本作を機にヴァルキリーシリーズに興味を持った方は初代の「ヴァルキリープロファイル」がPS4/PS5で発売予定なのでぜひそちらのプレイしてみていただきたい。

 

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【10/7情報追記】スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE

~はじめに~

本日は、2021年10月末に発表されたスターオーシャンシリーズ最新作「スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE」について、公開されている情報を基に語っていきたいと思う。

 

 

 

            

 

 

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スターオーシャンシリーズとは

スターオーシャンシリーズは1996年に第一作が発売されたトライエースが主に開発を務めるSFファンタジーRPGである。これまでにナンバリングタイトル5作と外伝1作、その他関連書籍やソシャゲが展開されており、今年で25周年となる国産RPGとなっている。ゲームの特徴などについては下記の記事やサイトをご参照いただきたい。

www.jp.square-enix.com

 

 

スターオーシャン6 THE DIVINE FORCEについて

本作はスターオーシャンシリーズ25周年記念作品として2022年に発売予定。前作に引き続き、あきまんがキャラクターデザインを手掛け、開発はトライエース、音楽は桜庭統となっており、シリーズファンにはおなじみの顔ぶれ。舞台となる時代は宇宙暦583年とのことで、今年サービスが終了した「スターオーシャンアナムネシス(宇宙暦539年)」の直後となっており、関連性も期待される。

これまでに、出ている情報で最も注目されているのが、「ダブルヒーローシステム」の復活だ。ダブルヒーローシステムは「スターオーシャン セカンドストーリー」で採用されたシステムで、二人の主人公から一人を選び、その主人公の視点で物語が展開していくというものだ。どちらの主人公を選ぶかによって同じストーリーでも見ている場面・視点が異なり、裏で起こっていた出来事などを別視点で楽しむことができる。このシステムによって、一度クリアして終わりではなく、少なくとも2度ストーリーを楽しむことができるため、満足感は高くなることだろう。

その他にもフィールドを飛行して自由自在に探索する様子や、シームレスで高速のバトルシーンなどが公開されており、いい意味でこれまでのシリーズの常識や通例を打ち壊す作品となりそうだ。情報はまだ出ていないが、シリーズでは連なった宇宙暦という歴史の中で起こった大きな出来事が物語の背景にある場合が多く、本作で起こる出来事が歴史にどのような影響を与えたのかや、他のシリーズ作品との関連性も気になるところだ。声優陣も一部公開されており、今話題の声優・花江夏樹なども採用になっており、注目を集めそうだ。また、個人的には「スターオーシャンTill the End of Timeスターオーシャン3) 」で作り込まれていたように、エキストラダンジョンややりこみ・ネタ要素がどの程度充実しているのかも気になるところ。

 

 

公開情報

6月29日に公開された「STAR OCEAN PROGRAM 特別編」にて各種最新情報が公開された。

www.youtube.com

 

◯発売日

  2022年10月27日(木)

 <Steam版は10月28日(金)>

 

  2022年6月30日より予約開始!

 

◯特典・価格など

  ・通常版 税込8778円

  ・DIGITAL DELUXE EDITION 税込11858円

  ・DIGITAL DELUXE EDITION UPGRADE 

税込3300円

  ・LIMITED EDITION 税込18000円

 

・早期購入特典

  ゲーム内ミニゲーム「ソーア」で使用できる駒(ポーン)。 トライエース作品より「レナス」「レザード」(ヴァルキリープロファイル)「ジャック」「リドリー」(ラジアータストーリーズ)の4体。

 

・予約特典

     スクエアエニックス e-STORE 

  2023年1月1日から1年間確認できる、オリジナルポスターカレンダー(B2サイズ)。B5サイズに折りたたんでお届け。

                         等、各種店舗により多種。

 

◯体験版配信!

 9月20日(火)に体験版の配信が決定!東京ゲームショウでも試遊台を出しているが参加できない多くの方は体験版で最速でプレイすることができる。冒頭から約2時間も遊ぶことができるとのこと。

 

<体験版プレイ感想>

・ストーリー序盤は安定のSF×未開惑星ファンタジーといった感じ。

・主人公(レイモンド)が銀河連邦の人間ではないので未開惑星保護条約は無視。

・バトルは前作よりもスムーズなシームレスバトルだが、AP制になった影響でサクサク感はやや低い。設定や操作の問題もあるが敵を倒した後に次の敵に自動でエイムがいきにくくやややりにくい。DUMAによるヴァンガードアサルトはマップ・戦闘中の移動に便利だが、敵が密集する中でのブラインドサイトは少々コツがいりそう。他のRPGなどをプレイしている方なら問題ないだろうが、従来のスターオーシャンシリーズとは戦闘の触り心地が異なる。

・マップは広大で探索がやや大変だがやりこみ要素ではある。前述のヴァンガードアサルトを使いこなす必要がある。子バーニィのを探すなどの要素もあり面白い。

・最初の展開はスターオーシャンセカンドストーリーをトレースしている感じがある。

・キャラボイスやキャラデザインは良い感じだが、唯一主人公・レイモンドの声が個人的にはあまり合っていないように感じ少々残念。

 


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◯その他

・「ヴァルキリーエリュシオン」との共同キャンペーン

  ポストカード、メドレー曲プレゼントなど

・毎週木曜日に4コマ漫画「スタレポ(スターオーシャンレポート)」

www.jp.square-enix.com

・キャラクター情報

  レイモンド・ローレンス(CV.木村昴):本作の主人公1、武器:大剣   

  レティシア・オーシディアス(CV.水瀬いのり):本作の主人公2、武器:双剣

  エレナ(CV.種崎敦美):武器:変形武器

  アベラルド・ベルグホルム(CV.花江夏樹):武器:チャクラム 

  ミダス・フレグリード(CV.東地宏樹):武器:ステッキ

  ニーナ・デフォルジュ(CV.高橋李依):武器:ハンドベル

  マルキア・トラッセン(CV.日笠陽子):武器:ナックル

  マリエル・L・ケニー(CV.ファイルーズあい):武器:銃、格闘

  クロエ・キャナリス(CV.大坪由佳

  アントニオ・ローレンツ(CV.竹内良太

  ウェルチ・ビンヤード(CV.半場友恵

  テオ・クラムラート(CV.佐藤拓也):武器:ハルバード

  JJ(CV.黒田崇矢):武器:刀

 

  ベランジュ・ガーフール(CV.鶴岡聡):ヴィープス3人組の一人

  ガストン・ゴーシュラ(CV.梶原岳人):ヴィープス3人組の一人

  ロラ・ジョイナス(CV.山村響):ヴィープス3人組の一人

 

・サブ要素

◯アイテムクリエーション:ウェルチの依頼達成で解放。キャラクターそれぞれに種類(鍛冶、料理など)が設定。才能が開花することでより優れた物を作製できるようになるセカンドストーリーに似た方式のよう。

◯プライベートアクション:選択肢によって感情値が変化しエンディングが変化していくシリーズ恒例のシステムが健在。

◯ソーア:シリーズキャラクターを模したポーン(駒)を用いてバトルするボードゲームNPCと対戦することで段位が上がる。ポーンはマップの様々なところに隠されている模様。組合せやスキルなど奥が深そう。

◯サブクエスト:町中でNPCから受注。前作と似たような感じか。ファストトラベル機能があればそれほど苦ではないかもしれない。

 

・主題歌

 HYDE:PANDORA

www.hyde.com

 

STAR OCEAN PROGRAM TGS2022 スペシャ

www.youtube.com

 

・レイモンド編冒頭ムービー公開

www.youtube.com

・発売日決定トレーラー公開

www.youtube.com

・REPORTINGトレーラー#01「メインキャラクター&バトル編」公開 

www.youtube.com

・REPORTINGトレーラー#02「DUMA&VANGUARD ASSAULT編」公開 

www.youtube.com

・REPORTINGトレーラー#03「Villans, New Buddy, Skill&Action編」公開

www.youtube.com

 

・REPORTINGトレーラー#04「New Buddy, Character & Item Creation編」公開

www.youtube.com

・REPORTINGトレーラー#05「The Final Report 編」公開

www.youtube.com

また情報が追加され次第随時更新予定。

    

 

【9/18更新】祝・ヴァルキリーシリーズ最新作「ヴァルキリーエリュシオン」2022年発売決定!

~はじめに~

本日は、つい先日発表されたヴァルキリーシリーズ最新作「ヴァルキリーエリュシオン」について、公開されている情報を基に語っていきたいと思う。

 

 

 

            

 

 

 

 

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ヴァルキリーシリーズとは

ヴァルキリーシリーズは1999年に第1作が発売されたトライエースが主に開発を務める北欧神話をモチーフとした傑作RPGである。これまでにコンシューマーゲームとして3本、ソシャゲとして1本が展開されている。コンシューマーゲームの3作目「ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者」の発売が2008年だったため、実に14年ぶりの新作コンシューマーゲームとなる。ゲームの特徴などについては下記の記事をご参照いただきたい。

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ヴァルキリー エリュシオン について

  本作は、シリーズ初のアクションRPGとしてPS4/PS5/Steamで発売されることが発表されている。公開されている映像を見る限りアクションRPGに進化したことでアクション性が格段に増し、より自由により迫力ある戦闘が楽しめるようだ。

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ヴァルキリープロファイルシリーズのファンとしては、三姉妹で唯一主人公になっていないことをネタにされているアーリィ・ヴァルキュリアの登場を期待してしまうが、少なくとも主人公ではなさそうだ(笑)。ただトレーラーの最後にアーリィっぽい装備の人が登場しており、開発側もそこら辺は十分意識していそう。

タイトルロゴに書かれた文字は「Upon the scales to weigh, a choice that must be made」。ここに書かれた文章はこれまでのシリーズ作品でも物語の核心や攻略のヒントとなっていたが今回は果たしてどういった意味を持つのか。

 

音楽はヴァルキリープロファイルシリーズやスターオーシャンシリーズでお馴染みの、桜庭統さんが引き続き務めるとのことで期待が高まる。開発はトライエースではなくソレイユとのこと。シリーズファンとしては少し残念だが、また新しいヴァルキリーの一面に期待したい。(トライエーススターオーシャン6で忙しいのかもしれない)

 

ヴァルキリープロファイルと世界観は共有するものの、あくまで派生作品という位置づけらしく、ヴァルキリープロファイルとはまた違ったヴァルキリー達の物語を楽しめそうだ。シリーズになじみのない方でもこの作品から遊び始めていただけたらうれしい。

 

今年はスターオーシャンシリーズ最新作「スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE 」の発売も発表されており、トライエースファンの私からすると最高だ。

公式ツイッターなどで最新情報をチェックしていきたい。

twitter.com

 

◯体験版配信

 発売を目前にした現在、製品版に一部データを引き継げる体験版を配信中!東京ゲームショウでも試遊台を出しているが、多くの参加できない方達にとって朗報となった。

 

・体験版プレイ感想

 操作は慣れが必要だが慣れればシームレスバトルからのスピーディな戦闘が爽快。戦闘は属性の相性と回避、ソウルチェインによる移動がキーとなりそう。ソウルチェインによる移動などは来月同じくスクエアエニックスから発売予定のスターオーシャン6でのDUMAによる移動と類似しており、両方プレイされる方は近い感覚でプレイできるかもしれない。絵がとてもきれいで細部まで作り込んである。マップは広く、ソウルチェインを使って上下の探索も可能で遊びだしたら止まらなくなる。 


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○7月6日公開情報


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発売日

2022年9月29日(Steam版:11月12日)

価格

通常版8580円(税込)

コレクターズエディション19980円(税込)

 

さらに!

ヴァルキリープロファイル-レナス-」がPS4/PS5用ダウンロード版に移植決定。ヴァルキリーエリュシオンと同日に発売開始。これらがセットになった「Didital Deluxe Edition」10780円(税込)も発売予定。

 

無料追加コンテンツ

ヒルドズヴェンジェンスヒルドをプレイアブルキャラとして操作可能

・セラフィックゲート:シリーズお馴染みの裏ダンジョン。タイムアタックとして実装予定とのこと

・新難易度:VERYHARD, VALKYRIE

 

キャラクター情報

 ○ヴァルキリー(CV鬼頭明里

 ○オーディン(CV津田健次郎

 ○フェンリル(CV中尾隆聖

 ○アルマン(CV花江夏樹

 ◯ビルド(謎の黒いヴァルキリー) (CV石川由依

 

エインフェリア

 ○イーゴン(CV稲田徹

 ○サイファ(CV石田彰

 ○クリストフェル(CV内田真礼

 ○タイカ(CV早見沙織

 

バトルシステム・その他

◯エインフェリア召喚:アイテムなどによって貯まる「ソウルゲージ」を消費して召  喚。エインフェリアの属性がヴァルキリーにも付与。

 

◯ディバインアーツ:特殊技。アイテムやコンボで貯まる「アーツゲージ」を消費して使用。お馴染みの「ニーベルンヴァレスティ」や「バーンストーム」「ボイドエクストリーム」「キュアプラムス」なども。

 

◯ソウルチェイン:遠くのポイントまで糸を伸ばして移動する能力。「ヴァルキリープロファイルシリーズ」でお馴染みの晶石を使った探索アクションや敵との距離を詰めるのに使用可能か。

 

◯武器:同時に2つまで装備可能。武器はレベルアップ可能でルーンなどを装着して更に強化・カスタムすることができる。

 

◯スキル:ヴァルキリーの能力やアクションを強化・解放できる。

 

◯:ヴィーンゴールヴ:過去に倒した敵を召喚して戦闘訓練を行うことが可能。

 

サウンドトラック

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ティザートレーラー

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トレーラー#2

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~こちらの記事もおすすめ~

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名作ゲーム「スターオーシャン3 Till the End of Time ディレクターズカット(SO3DC)」

~はじめに~

今回ご紹介するのは、「スターオーシャン3 Till the End of Time ディレクターズカット(SO3DC)である。以前、このブログの記事で「スターオーシャンシリーズ」については語らせていただいたが、その中でもSO3DCはリマスター版も合わせると1000時間以上プレイした思い入れの強いゲームであり、まだ語り足りなかったため本記事でそのすばらしさを詳細に語りたいと思う。なお、シリーズの概要や共通のシステムなどについては下記の記事を参照されたい。

 

*ネタバレも含むので、初見でプレイされたい方はご注意下さい。

 

 

                                                              

 

 

 

 

 

 

~あらすじ~

宇宙歴772年(西暦2858年)、地球をはじめとする多くの惑星が加盟する「銀河連邦」は栄華を極め、銀河の1/3の探索を終えていた。地球人の青年「フェイト・ラインゴット(CV.保志総一朗)」は両親(ロキシ・リョウコ)と幼なじみの「ソフィア・エスティー(CV.榎本温子)」と共に保養惑星・ハイダに旅行に訪れていた。両親と幼なじみと過ごす平和な時間が流れていたが、突如としてハイダを謎の戦闘艦が襲う。そしてここから、フェイト達はこれまで知らなかった自分たちの運命と向き合って行くこととなるのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

~SO3DCの魅力~

 

①ストーリー編 (斜め読み推奨)

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前半でパーティを組むネル・フェイト・クリフ 髪の色から信号トリオと呼ばれる
①-1:ハイダ襲撃~ヴァンガード3号星到着

物語は、保養惑星・ハイダのホテルの中での主人公・フェイトと幼なじみ・ソフィアとの会話から始まる。ほのぼのとしており、リア充感満載な雰囲気で、これから宇宙を巡る冒険に出るとは夢にも思っていない。

ここでは、SO3DCのエンディングテーマソングである、MISIA「飛び方を忘れた小さな鳥」をBGMとして聴くことができる。ストーリー中、この歌を聴くことができるのはこことエンディングのみなので非常に貴重だ。なぜこんな大物がテーマソングを歌ってくれたのかは謎に包まれている。

平和な時間を過ごすフェイト達であったが、突如戦闘艦がハイダを襲撃する。判明したその正体は「バンデーン」という銀河連邦と敵対する惑星国家であった。敵対しているとは言え、こんな軍事的に重要でもない保養惑星を襲って何の意味があるのか。そんなことを考える暇も無く、フェイト達は避難するのであった。両親とはぐれ、バンデーンの探査ロボットとの戦闘を乗り越えてやっとの思いで輸送艦・ヘルアに搭乗して避難先の惑星へと移動するフェイト達であったが、追ってきたバンデーン艦の襲撃を受ける。なぜ、こんな輸送艦をわざわざ追ってきたのか。そんなことを考える暇も無く、フェイト達は脱出ポッドへと急ぐ。脱出ポットは一人用であり、嫌がるソフィアをポットに乗せた後、自分も別のポッドに乗り込みなんとか無事に脱出することに成功する。

脱出ポッドは、近くの銀河連邦所属の惑星や基地に行き先が自動設定されるのだが、あいにく近くにそういった所が無く、フェイトを乗せたポッドは残りの燃料で到着可能な範囲で人類が生存可能な惑星へと向かうことになる。それが、ヴァンガード3号星、次の冒険の舞台である。

 

①-2:ヴァンガード到着~ヴァンガード脱出

ヴァンガード3号星に到着したフェイト。そこは科学技術が未発達で、地球での16世紀程度の技術力しか無い未開惑星だった。脱出ポッドは大気圏突入はできるが脱出はできず、フェイトはこの惑星で救難信号を受けた艦が迎えにくるのを待つことになる。脱出ポッドには生命維持装置が付いているためそのままでも死ぬことはないのだが、フェイトは食料や脱出への手がかりを求めて周囲を探索することとする。

ヴァンガード3号星のような未開惑星に地球人のような先進惑星の人が干渉することは、本来「未開惑星保護条約」で禁止されている。各惑星は自らの力で進化すべきだとしているためだ(この条約制定の成り行きは「スターオーシャン4-THE LAST HOPE-」で語られている)。フェイトのように緊急時の場合はこの限りではないが、極力干渉を控えるように定められている。そこでフェイトは、日頃シュミレーターゲームで使い慣れている剣をレプリケーター(エネルギーから物質をつくり出せる機械)で作り、それを携帯して周囲の探索に向かった。

村を発見したフェイトだったが、疲労で倒れてしまう。そこを原住民のノキアミナの兄妹に助けられる(原住民と言語は違うが、救難信号を発信しているクオッドスキャナー(周囲の生命反応を探知したり、食料が飲食可能か判断したりなど様々な機能を持つ携帯)に翻訳機が内蔵されているため問題なく会話できた)。助けて貰ったお礼に壊れたオルゴールを直してあげることにしたフェイトだったが、その部品を作るためにポッドに戻ると、何とポッドが破壊されてしまっているのを発見する。途方に暮れて村に戻ったフェイトに、今度はノキアが失踪したという知らせが入る。どうやら、ポッドを壊したのは周辺に住み着いたノートンという悪党で、それを知ったノキアは部品を取り戻しに行ったらしい。

ノキアを助けるため、悪党の住処に乗り込むフェイト。途中、チンピラのバスター・マカフィー・テペキーを倒し、ボスのノートンの元に辿り着く(チンピラの名前とノートンアンチウイルスソフトの名前が由来。ゲーム終盤で明らかになるある事実と合わせて考えると感慨深い)。ノキアを折から助け出し、逃げる途中でノートンに見つかってしまうフェイト。そしてノートンは何と、先進惑星の武器である「フェイズガン(エネルギーを打ち出すレーザー銃)」を持っている!そう、ノートンはフェイトと同じ先進惑星出身でこの惑星に不時着した奴だったのだ。しかもノートンは犯罪者で、護送の途中で船をいじって墜落させたらしい。脱出できないと悟ったノートンはこの星に「俺様の俺様による俺様のための国」というどっかの偉い人が言ってたことと180°違う国を作ることにしたのだそう。

窮地に陥るフェイト。そこに颯爽と現れたのが、我らが兄貴クリフ・フィッターCV.東地宏樹)である。彼は反銀河連邦組織「クォーク」に所属するクラウストロ人(身体能力が地球人の数倍で、銃撃をも躱すことができる)であった。クリフと共にノートンを倒したフェイトだが、なぜ反銀河連邦組織の人間が自分を迎えにきたのか分からず困惑する。クリフもその目的を曖昧にしており、フェイトは不信感を抱くも、現状付いていく以外の選択肢はない。ノキアを村に送り届けたフェイトは、クリフの乗ってきた艦「イーグル」に乗り込むのであった。

 

①-3:イーグル搭乗~エリクール2号星不時着

イーグルに乗り込んだフェイト。そこにはクリフと同じクラウストロ人の女性ミラージュ・コーストCV.篠原恵美)が乗っていた(ミラージュはSO3では仲間にできなかったが、SO3DCでプレイアブル化された!これを待ち望んでいたファンは多く、特に男性ファンからは歓喜の声が上がったそう)。クリフ・ミラージュと共にクォークの本拠地へ向かう途中、またもバンデーン艦の攻撃を受ける。攻撃され、撃墜されそうになりながらもクリフの「」でなんとか逃げ出すことに成功する。しかし安心したのも束の間、エンジンがスクラムし、イーグルは近くの惑星・エリクール2号星に不時着することとなる。

 

①-4:アーリグリフ脱出~シランド到着

不時着したエリクール2号星は地球の17世紀程度の科学力しかない未開惑星。しかも街のど真ん中に不時着してしまった。やむを得ず艦を出たフェイトとクリフだったが、現地住民に捕まってしまう(ミラージュはこの時脱出せず、後に無事脱出する)。捕らわれたフェイトとクリフは敵国のスパイと思われ拷問に合うが、先進惑星から来たというわけにもいかない。そんな時、捕まっている国(アーリグリフ)の敵国・シーハーツの隠密ネル・ゼルファーCV.浅川悠)が忍び込んできた。ネルが突きつけた条件は、シーハーツの兵器開発に協力するかここで死ぬか。先進惑星の自分が兵器開発を手伝ったら大量殺人に手を貸すことになると迷うフェイト。しかし、美人に目が無いクリフの「」でネルに協力することとにした二人は、脱獄を果たしシーハーツの首都・シランドを目指す。

脱獄したファイト達はまず、国境の町アリアスを目指すのだが、道中、フェイトが謎の頭痛に襲われ、気を失ってしまう。やむを得ず敵国の街カルサアで宿を取る一行。フェイトの頭痛は回復したが、国境が封鎖されてしまったため山道を通って国境を抜け、無事にアリアスまで辿り着く。一晩疲れを癒したフェイト達だったが、翌日、ネルがいなくなっていることに気付く。ネルの親友にして指揮官のクレア・ラーズバード(ディレクターズカット版でプレイアブル化が最も期待されたキャラだったが、男女比などを考慮された結果、何と彼女の父親アドレー・ラーズバードが後に仲間となる。このことは、DC版最大の失敗と言われている)は、ネルは別の任務に就いただけだと言ったが、昨晩寝室にネルが来て無言でお辞儀をして出て行ったのを狸寝入りして知っていたクリフが問いただしたところ、ネルがフェイト達を逃がすために捕まった自分の部下ファリン・タイネーブを助けに行ったことが判明。フェイトとクリフはすぐさまネルを追いかけ、敵を倒して捕まっている二人を救い出す。そこに将軍クラスの強敵アルベル・ノックスCV.千葉伸一)が現れるが、弱い者いじめは趣味じゃないと見逃される。屈辱ながらも助かった一行はアリアスに戻る。謝るネルと共に一行は次の街ペターニへと向かう

ペターニに着いた一行。自由行動となったフェイトの前に、ここにいるはずのない幼なじみソフィアそっくりの少女アミーナが現れる。病弱の彼女は花を売りながら集めると願いが叶うというパルミラの千本花を集め、離ればなれになっている幼なじみとの再会を願っているという。ソフィアそっくりの彼女に感情移入していたフェイトの元に翌日、アミーナが山で花を摘んでいる途中に発作で倒れたと知らせが入る。急いで助けに行くフェイト。途中、山賊に捕まっていた狸の亜人ロジャー・S・ハクスリーを助け(助けないことも可能で、その場合はエンディングで檻に入った状態で登場する)、手伝って貰いながらアミーナの救出に成功する。アミーナとの一連のやり取りで、自分の作った兵器によって多くの人が死んでしまうかもしれないが、その兵器で戦争が早く終わり多くの人を幸せにできる可能性を信じたいと思うようになったフェイトは、最終目的地である聖王都・シランドを目指す。

 

①-5:シランド到着~バンデーン襲来

シランドに到着したフェイト・クリフは早速兵器開発を手伝うことに。見せられた兵器サンダー・アローは何と、紋章術(いわゆる魔法、この国では施術と呼ばれる)を電気エネルギーに変換して蓄積し発射するという、この惑星にあるはずの無いオーバーテクノロジーの兵器だった(このようなオーバーテクノロジーが存在するのはエレナという女性が知識を教えたからなのだが、この女性の正体は本編では明らかにされず、公式設定資料集で明らかにされている)。この兵器を完成させるために、伝導率の良い銅が必要だと見抜いたフェイトは、敵国の鉱山から銅を採取する。しかし、持ち帰る途中アルベル・ノックスとの再開を果たす。今度は戦闘になるもなんとか撃破するが、フェイトは、彼と同じで弱い者いじめの趣味はないとかなり腹黒い発言で見逃してやる。屈辱にもだえるアルベルを尻目に銅を持ち帰った一行の前に倒れているアミーナとそれを介護しているミラージュとの再開を果たす。なんとアミーナの幼なじみは兵器開発担当者のディオンで、会うためにやって来たのだそう。ここまで来るのに体力を使いかなり危険な状態だったが、なんとかディオンとの再開を果たし、ディオンは戦争に必ず勝利することを誓う。また、ここでこの国最強の戦士であるアドレー・ラーズバード(上裸のムキムキのおっさんで刀を身に付けているが魔法で戦うという謎のキャラ、クレアの実の父親)が仲間になる。一行は完成した兵器と共に前線の街アリアスへと向かう。

そして、ついに始まった戦争。フェイト達も参戦し、敵の将軍ヴォックスと戦闘を開始する。一進一退の戦闘が続くさなか、突如としてバンデーンの戦闘艦が現れ地上を攻撃。一帯は火の海となる。お互いに敵の新兵器だと勘違いしたシーハーツとアーリグリフの兵士達がバンデーン艦を攻撃するも全く効果は無く(技術レベルが違いすぎる)逆に反撃されて虐殺されてしまう。そしてディオンもこの反撃の被害を受け瀕死の重傷を負う。茫然自失となるフェイトに、クリフが「逃げるぞ!捕まりたいのか!」と言ってしまう。この言葉にフェイトは「捕まる?バンデーンは僕を狙ってきているのか!?」と気付いてしまう。だがそう考えれば何もない保養惑星であるハイダが襲われたことも、輸送艦ヘルアが襲われたことも、イーグルやここが襲われたことも説明が付く。そう気付いたフェイトは、自分に何の価値があってこんなに多くの人々が犠牲になっているんだと嘆き、慟哭する。その瞬間、フェイトの額に紋章が広がり、紋章は大きくなって人の姿を取り、バンデーン艦を貫く光の矢を放った。光に包まれたバンデーン艦は完全に消滅し、周囲は静寂に包まれる。フェイトは気を失っており、ばったりと倒れ込むのであった(カッコイイ映像イベント①)。

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破壊の力「ディストラクション」が覚醒し、バンデーン艦を撃墜する
①-6:バンデーン艦撃退~エリクール2号星脱出

バンデーン艦の登場にもはや戦争どころではなくなった両国はそれぞれの国へ帰っていった。そして、目覚めたフェイト(バンデーン艦を消し去った記憶は無い)に、ディオンが瀕死だという知らせが入る。瀕死のディオンを元気づけるために療養中のアミーナを連れてきたフェイトだったが、ディオンは息絶え、同時にアミーナも息絶えてしまう。この悲劇に慟哭するフェイト。自分のせいだと責めるフェイトと慰めるクリフに、ネル達エリクール人は二人は何者かと問いかける。バンデーン艦やフェイトの紋章などあり得ない者を見たのだから当然である。もう隠せないと決心し説明し始めようとしたとき、再びバンデーン艦が襲来する。しかしそのバンデーン艦は後から現れた小型艦によって撃墜されてしまう。そして目の前にトランスポートで現れた一人の女性。この女性こそ反銀河連邦組織クォークのリーダーマリア・トレイターCV.根谷美智子)であった。クリフ達が到着しないのを不審に思い迎えに来たのだ。しかし、乗ってきた船は撃墜され、本艦の到着を待つ必要があるという。それまでの間、フェイト達と話をすることとなったが、そこでマリアがフェイトに告げたのはフェイトの父親ロキシがマリアに紋章遺伝学の人体実験を施し人現兵器にしたと言うこと、そして実験体はもう一人いてそれはフェイト自身だと言うことだった。信じられないフェイトにマリアは、自身の力アルティネイション(物質の性質を改変する力)を見せ、バンデーン艦を消滅させたのがフェイトの力・ディストラクション(破壊する力)だと言うことはフェイト以外の全員が知っていると告げる。とても信じられないが信じないわけにも行かず、バンデーンに捕まっているというロキシを助け出し、なぜこんなことをしたのか問いただすことを決意する。次にネル達現地人に自分たちの素性を説明する一行。とても信じられない内容に激怒する人もいる中、ネルはフェイト達が信用するに足る人物であると明言する。その時、バンデーンの残党がシーハーツの国宝・セフィラを狙って襲撃してきたのとの知らせを受ける。調べてみるとセフィラはオーパーツと呼ばれる先進惑星ですら創り出せない技術水準の物質であり、それ故に狙われたことが判明。ネルと共にセフィラ守護を買って出たフェイト達は、無事にバンデーン残党を倒しセフィラ守護に成功する。この働きによりフェイト達の株も上がった。

しかし、この星から脱出するには本艦が来た時に妨害してくるであろう別のバンデーン艦を地上から牽制する必要がある。そこで、先ほどまで戦争をしていたアーリグリフと協力し、サンダーアローをドラゴンの背中に乗せて戦ってはどうかという話になる。アーリグリフも先の戦争で大ダメージを負っており、戦争を推し進めていたヴォックスもバンデーンの攻撃で死亡していたことなどから両国が協力することに。フェイト達に負けたことで反逆罪に問われて捕まっていたアルベルと共に、めちゃくちゃおっきいドラゴン・クロセルを従わせ、背中に改良したサンダーアローを乗せて準備万端。クォークの本艦とタイミングを合わせて戦闘を開始するも、バンデーン艦は強く本艦が撃墜されてしまいそうになる。その瞬間、光の矢がバンデーン艦を貫き撃墜する。訳は分からないながらも助かった形となった一行は、ネル達に別れを告げ本艦に乗ってエリクールを後にする。

 

①-7:エリクール脱出からFD空間突入

エリクールを後にした一行。先ほどの光線を分析した結果、5万光年以上離れた銀河の彼方から地球に向かって放たれた物であり、エネルギークラスは3.2(クラス1が太陽クラスの恒星が1μ秒に放つエネルギー、クラスが1上がるとエネルギーは1000倍)であり、銀河連邦が有する最強の兵器クリエイション砲のクラス2を遙かに上回る威力であることが判明する。地球には惑星を丸ごと覆う惑星シールドが備わっているが、それでも防ぎ切れず、被害が出たという。その事実に唖然としている中、バンデーンの旗艦と銀河連邦の戦闘艦から同時に通信が入る。バンデーンはフェイトの父親ロキシ・ラインゴットと幼なじみのソフィアを捕まえておりフェイトと交換しろとの要求、銀河連邦はフェイトを渡さず到着まで足止めしてほしいとのことだった。バンデーン艦の対処は銀河連邦に任せるとして、フェイト達は人質交換に見せかけて人質を奪還すべく、交換場所に指定されたエリクール2号星に再び降り立つ。事前の行動によってネル・ロジャー・アルベルの内一人が助けに来てくれ、苦戦するも人質を奪還し、銀河連邦と協力してバンデーン旗艦を撃破したのだが、最後の悪あがきで敵の司令官がフェイトを殺そうとしたのをロキシが庇い、「ムーンベース(月の軌道上にある宇宙基地)の研究所へ向かえ」と言い残して死亡してしまう。

悲しみに暮れながらも、前を向きムーンベースに行くことを決意したフェイト。銀河連邦の基地であるため反銀河連邦の艦で向かうわけにも行かず、銀河連邦の戦闘艦・アクアエリーに乗り込む。船長のヴィスコムに協力して貰ってムーンベースに到着した一行は、ハイダで会ったサーカス団の少女スフレ・ロセッティと再開しながら研究所に到着し、そこで隠された映像データを発見する(マリアの遺伝子情報がキーとなっていた)。その映像の中には、ロキシ達がタイムゲートという時間を行き来できるオーパーツスターオーシャン1に登場する)の調査を行った結果、このゲートがFour Dimention人(FD人)、つまり自分たちより一つ上の次元に住む者達によって創られた物であり、タイムゲートはFD空間への入口で、時間移動はFD空間に侵入しようとしたのをブロックした結果だったこと、FD人こそが我々の世界を創った創造主である可能性があること、そして門が言葉を発しこの世界(=エターナルスフィアと呼ばれる)の技術力が発達しすぎていつFD人に危害を加える恐れがあるため近い将来エターナルスフィアを滅ぼすと宣告を受けたことが記録されていた。そしてロキシ達が滅びに抵抗するために、自分たちの子どもであるフェイト・マリアそしてソフィアにも人体実験を行い、遺伝子に紋章を刻み込んでFD人に対抗できる力を与えたのだという衝撃の真実を伝える。ロキシ達は、フェイト達が滅びを受け入れるのならそれでも良いと言い、自分たちの未来は自分たちで決めてほしいと言い残す。呆然となる一行であったが、父達の意思を受け継いだフェイト達はタイムゲートを通ってFD人空間へと向かい、FD人と直接対決することを決意する。

アクアエリーに戻ったいっこうに、FD人が送り込んできたエクスキューショナー(ドラゴンの姿をしており、宇宙船より速力・防御力・攻撃力が秀でた創造主の使い)が地球の最終防衛ラインに達したとの知らせが入る。数十体のエクスキューショナーはそれぞれクラス3以上の光線を放つことができ、最終防衛ラインは簡単に突破されてしまう。惑星シールドも敵の攻撃一発を防ぐのが精一杯で、地球は火の海となってしまう(カッコイイ映像イベント②)。この状況を見たヴィスコム提督は、フェイト達に地球の運命を託すしかないと判断し、フェイト達をタイムゲートがある惑星ストリームまで送ることにする。しかし、惑星ストリームの周囲にはエクスキューショナーが待ち構えており、フェイト達を送り届けるためにヴィスコムは自らがになることを志願する。ヴィスコムはクルー達に最後まで誇りをもって戦おうと演説し、エクスキューショナーの群れの中に突っ込み、奮戦するも最後は光の粒となって消し去られてしまった(カッコイイ映像イベント③)。悲しみに暮れながらも惑星ストリームに無事到着した一行は、タイムゲートに辿り着き、ソフィアの持つ「コネクション」の力によりFD空間へと繋がったタイムゲートへ飛び込んでいった。

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エクスキューショナーに襲撃される地球

 

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フェイト達の囮となって敵に突っ込むアクアエリー

①-8:FD人との遭遇~FD空間脱出

 FD空間へと突入したフェイト達。しかしゲートを抜けた一行の前に広がるのは、普通の住宅街で、フェイト達はそこに設置されているスクリーンから出てきたのだった。困惑するフェイト達の前に現地の少年フラッドが現れ、フェイト達がエターナルスフィアから来たのかと聞く。少なくとも何か知ってそうなこの少年について行くことにした一行はフラッドの家へ。そこで見せられたのは、画面に映るアクアエリーとエクスキューショナーの闘いだった。そして、フラッドが告げたエターナルスフィアの真実はなんと、エターナルスフィアはFD人(スフィア社という会社)が創ったプログラム(高度なAIを搭載したパラレルワールドという事だ!自分たちがゲームの中の存在で、今画面からプレイヤーの元に飛び出してきた存在だったという事に衝撃を受ける一行。コントローラーで操作されているわけではないとは言え、自分たちのこれまでの行動はゲームの中の出来事だったのかと信じられない様子。そんなフェイト達にフラッドは、実際にFD空間からエターナルスフィアにアクセスすれば実感が湧くのでは?と提案。フェイトと達はジェミティ市というテーマパークにある端末からエターナルスフィアへとアクセスする。タイムゲートを介さずにエターナルスフィアにアクセスできたことで、フラッドの言葉がより現実味を帯びたが、一行は、たとえ事実がどうであったとしても、銀河を守るためにスフィア社に突入し、エクスキューショナーを止めてくれるよう直談判することに。

スフィア社に突入した一行は、アザゼルとセキュリティに囲まれる。彼らは、フェイト達を特異体と呼びモルモットになれと言うが、当然フェイト達は拒否。アザゼルと戦闘になり、撃破した一行は上層を目指すが、途中で追い詰められてしまう。そこを、エクスキューショナー反対派のブレアに助けられる。ブレア達はスフィア社の人間だが、エターナルスフィアはもはやFD人が勝手に干渉していい物ではないほど進化しており、エクスキューショナーを送り込むという社長の処置に反対していた。ブレア達が創ったアンインストーラ(エクスキューショナーがバグフィックスプログラムなのでそれを削除するもの)を貰った一行は、追手との戦闘を勝利してエターナルスフィアへと戻りアンインストーラーを起動するのだった。

 

①-9:断罪者出現~ファイアーウォール突入

アンインストーラを起動したことで、エクスキューショナー達は消え去った。安堵する一行だったが、今度は別の小型だがより強力な敵・断罪者が出現する。スフィア社の社長がアンインストーラーの使用を先読みし、それに対抗するプログラムを設定していたのだった。落胆するいっこうにブレアが、断罪者のプログラムはエターナルスフィア内でしか起動できず、社長はエターナルスフィアにいる可能性が高いこと、社長のいる空間は特殊である種のゲートと鍵が必要であると告げる。もはや社長に直談判するしかないと決意した一行は、ゲートと鍵の特徴を聞くが、何とその鍵とはシランドにあったオーパーツセフィラであることが判明。ゲートも鍵の近くにあるとのことで一行は、再度エリクール2号星へ向かう。シーハーツ女王の許可を貰いセフィラを手にした一行は、ゲートがあるモーゼル古代遺跡へと向かい、セフィラを使ってゲートを開き、社長がいる空間とエターナルスフィアを繋ぐファイアーウォール(悪質なウイルスを除去するための障壁)へと突入した。

 

①-10:螺旋の塔突入~ラスト

ファイアーウォールを抜けた一行が着いたのは、社長がいる空間・螺旋の塔。ここに設置された様々なトラップを切り抜けて社長室についた一行。そこはまさに時の王が鎮座する空間といった感じ。そこに一人いるのが社長・ルシファーだった。ルシファーはフェイト達をあくまでプログラムとしてしか見ておらず、FD人に危害を及ぼすかもしれない悪質なバグを消去するのは社長として当然のことだという(確かに一理ある)。フェイト達は、確かに自分たちは創られた存在なのかもしれないが既に自我を持って進化しており、自分たちの滅びるときは自分たちで決めるといい戦闘になる(フェイト達からすれば正論)。

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それぞれの立場からするとどちらも正論なのだが・・・

勝利したのはフェイト達だった。しかし、ルシファーは最後の力を振り絞ってエターナルスフィアの全データを削除してしまう。これにより、消滅してしまったフェイト達とその世界。無に落ちていくフェイトだったが、無という物を認識している自我が存在することに気付く。そして、自我こそが自分が生きている証であると気付いたフェイトは、仲間が待つ世界で目を覚ます。どうやら、エターナルスフィアの全ての人が自我を持ち、世界を認識していたことで、データは削除されても世界が存続したのではないかとのこと(マンガ版ではフェイト・マリア・ソフィアが紋章の力を使い新たな世界を創造した、小説版ではスフィア社はエターナルスフィアを創ったがそこにアクセスする際に無数に存在する平行世界の一つのフェイト達の世界に間違ってアクセスしてしまっておりルシファーがエターナルスフィアを削除しても平行世界は無事だったという設定になっている。ラストの解釈はSOファンの中でも議論を呼んでいるが、各が信じたい説を信じれば良い)。何はともあれ世界が無事だったことにホッとする一行は、FD人の干渉が無くなった自分たちの世界で生きていくことを決意するのであった。

Fin.

 

 

②システム編

 

②-1:バトルシステム

SO3DCはなんと言ってもその優れたバトルシステムが魅力だ。攻撃はまず小攻撃(◯ボタン)と大攻撃(×ボタン)があり、遠距離近距離があり、そして通常攻撃バトルスキルがあるため、計8種類ある。これプラス紋章術(魔法のような物、攻撃・回復・バフに分かれる)を組み合わせて戦う。また、HPの他にMP(メンタルポイント)とGutsがパラメーターとして設定されている。3すくみ制になっており、小攻撃(小攻撃に設定したバトルスキルも含む)はGutsが100%の時に発生するプロテクトに阻まれるが素早いため相手の大攻撃をキャンセルさせることができ、大攻撃は遅いがプロテクトを破壊できる。また、紋章術はプロテクトを破壊できるが、詠唱すると時間が掛かる。ただし一部のキャラではバトルスキルに設定でき、詠唱破棄で用いることができる。小攻撃をプロテクトした場合オーラという物が発生し、通常は相手をスタンさせる効果だが、アイテムを入手することで相手にダメージを与えたり(追尾式、威力UPなどもあり)、食らうはずだったダメージの一部を回復できたり様々な設定が可能である。特に隠しボスなどが使うスターガードでプロテクトされると、たとえこちらの防御力が高く敵の攻撃によるダメージが0であったとしても死んでしまう(プロテクトオーラのダメージはこちらの攻撃力によって左右されるため)。また、キャンセルボーナスというシステムがある。これは小攻撃にセットしたバトルスキルと大攻撃にセットしたバトルスキルを交互に使うことで100%⇒150%⇒200%⇒300%まで威力を上げることができるという物だ。ただしバトルスキルの使用にはHPやMPそしてGutsを消費するため無限にとは行かない。このシステムで使用するのに最適・最強の技がフェイトの「リフレクト・ストライフ」である。この技は回避機能を備えた回し蹴りで、これを連打しているだけで敵の攻撃はほとんど当たらず倒せてしまう。敵が動かない場合や小さい場合には当たりにくい、プロテクトされると大ダメージなどの弱点ももちろんあるが、ゲーム序盤で覚えるこの技だけで、本編ラスボスまでは余裕でクリア可能だ(隠しボスも全然いける)。各キャラクターによって使う武器が異なるためモーションやバトルスキルの種類が異なり、それぞれのキャラクターに合わせた戦闘方法を考えるのがこのゲームの戦闘の醍醐味である。

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キャンセルボーナスでダメージUP!     敵の小攻撃はプロテクト

 

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隠しボス達の使うスターガードは油断すると即死する

 

 また、戦闘システムとはやや異なるが、バトル中敵を攻撃してゲージを貯めると戦闘ボーナスが発生する。戦闘ボーナスは、取得経験値3倍(小通常攻撃でゲージをMAXにした場合)、取得フォル(このゲームの通貨)2倍(大通常攻撃でゲージをMAXにした場合)、戦闘勝利時回復率UP(バトルスキルでゲージをMAXにした場合)、アイテム入手率UP(紋章術でゲージをMAXにした場合)の4つで、このボーナスを維持して5回戦闘に勝利すると別のボーナスが追加で付き、15回勝利すると4種類全てのボーナスを得ることができる。レベル上げや資金稼ぎ、ドロップアイテム狙いの時にはこれらのボーナスが必須となるのだが、このボーナスは操作しているキャラクターがクリティカルヒットを受けたり、戦闘不能になったり、セーブデータをロードすると無くなってしまうため、注意が必要だ。もちろん攻撃に参加せずに遠くから見ていれば安全なのだが、それだと戦闘に時間が掛かってしまうため自ら攻撃に参加せざるを得ない。戦闘を早く終わらせたいがボーナスは守りたいというジレンマを抱えながらプレイするのもこのゲームの戦闘の醍醐味だ。

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戦闘ボーナスを利用して闘いを有利に進められる

 

②-2:アイテムクリエイション

スターオーシャンシリーズの全てにアイテムクリエイションは存在するがSO3DCのものが最も活用しがいがあると言える(SO2も重要だが汎用性は低い)。SO3DCで行えるアイテムクリエイションは、鍛冶・細工・料理・錬金・調合・機械・執筆・合成の8種類だ。アイテムクリエイションを行うには各種類の適正値が高い人物を集める必要がある。パーティーメンバーにも適正値が割り振られており、例えばクリフは鍛冶の適正値が高いが、メンバーは3人必要なため、良いものを創りたい場合は他にアイテムクリエイターと契約する必要がある。アイテムクリエイターはストーリーを進めると徐々に契約できるようになり、契約条件はお金を渡すだけのものから特殊なアイテムを渡す物など様々で有り、中にはかなり難しい条件も存在する。アイテムクリエイターには適正値のみでなくクリエイトにかかる時間やコストを左右するパラメーターも設定されている。アイテムクリエイションには創作オリジナルレシピ指定が合成以外には設定されており、創作オリジナルでは設定したコストでできるアイテムがランダムで創られる(失敗して何もできない場合もある)。レシピ指定では創作オリジナルで創ったアイテムの効果・例えばATK(=攻撃力)+10%を+15%や+30%まで強化できる。ただしレシピ指定には「鍛冶素材」のような各種の素材が必要となるため無限にはできない。また、アイテムクリエイションには莫大なコストが掛かり、本編中であれば低コストの物で十分だが、エクストラダンジョンではよりコストの掛かる物が必要になったりする。

鍛冶では、主に防具や武器を作製できる。細工では装備できるアクセサリー(攻撃力・防御力UPや詠唱時間短縮、Guts消費減など様々な効果の物がある)を作製できる。料理では様々な料理(戦闘中には使えない回復アイテム)を創ることができ、あのうまい棒も公認で様々な味が作製できる。錬金では各種鉱石やホムンクルスを作製でき、鉱石にはATK+900の様なめちゃくちゃ強い効果を持つ物もあり、ホムンクルスは攻撃に光弾を付与などの効果があり、武器に合成することで強力な武器を創れる。調合は各種回復薬やバフ薬、さらには爆薬などをも作製できる。機械は銃などの武器や回復・攻撃機能を持った機械アイテムを創れる。執筆は各種スキルを習得するのに必要なスキルブックを創れる。合成は、各種アイテムの効果を武器に8つまで付与することができる。このようにアイテムクリエイションを駆使することで様々な強力アイテムを創ることができ、本編のクリアはもちろん、エクストラダンジョンのクリアには必須の要素となっている。また、創れるアイテム数が多いためやりこみ要素としてもよい。

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凄腕クリエイターと契約して良いアイテムを量産しよう

 

②-3:バトルコレクション

SO3DC最大のやりこみ要素としてバトルコレクションがある。戦闘中特定の行動や条件を満たすことで獲得でき、全300個ある。種類としては、ほぼ全ボスに対してノーダメージ勝利~分以内撃破があり、それらが難易度(ギャラクシーユニバース(敵パラメーター1.5倍)、FD(敵パラメーター1.8倍))にそれぞれ設定されている。また、カウンターオーラによるダメージ・アイテムによるダメージ・小攻撃・大攻撃・紋章術・バトルスキルオンリーで特定のボスを倒すなどもある。他にも戦闘中計42.195km走るや残りHP1で勝利、鉄パイプ(初期装備)オンリー勝利など多種多様な物があり、コンプリートするにはゲームを何周もする必要がある(ちなみに筆者は95%まででコンプリートできていない)。大変なものとしては、戦闘ボーナス付きやノーダメージで連続勝利といったもの存在し、ザコ的相手に連戦するのだがちょっとした油断で連続が途切れてしまい、数時間がパーといった経験も少なくない。また、与ダメージ7777やGuts生き残り(Gutsが高い場合に確率で生き残るシステム)連続何回など運要素のものも多く時間が掛かる。バトルコレクションは15%取得で2Pカラー(プレイアブルキャラの別衣装)が使用可能、25%取得でユニバースモードがプレイ可能、40%取得で3Pカラー55%取得でミュージックモード(タイトル画面のバトルコレクション一覧画面から、MISIA「飛び方を忘れた小さな鳥」を含むゲーム中の全てのBGMを聞くことができる)が使用可能、65%取得でFDモードプレイ可能、80%取得で4Pカラー使用可能、95%取得でフルアクティブモード(攻撃ボタンを押すと通常は自動で敵に接近して技を出すが、フルアクティブモードではボタンを押した位置で技を出す)が使用可能といった特典を得ることができる。ぜひ95%までは頑張って集めてみていただきたい(めちゃ時間かかるが)。

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バトルコレクションを集めるとキャラクターの別衣装などの特典が解放される

 

②-4:本編ダンジョン

SO3DCではエクストラダンジョンの作り込みが半端ではなく、それはこの後詳しくご紹介するのだが、本編中に登場するダンジョン一つ一つの完成度も非常に高い。

最初に訪れるダンジョン・コーファー遺跡では、ボスの部屋に入るための3つの数字がどこかに書かれているのを探す必要があり、最初のダンジョンとしては難易度が高い。また、このダンジョンに限った話ではないが、物語後半で瓦礫などを消し去れるバニッシュリングというアイテムを手に入れると、最初は入れなかった所にまで入ることができ、レアアイテムが手に入れられるなど何度も楽しめるように設計されている。

アーリグリフから脱獄後、国境越えのために通るカルサア山洞では、ロッコモンスターという亀のような生物が牽くトロッコを操作して進む必要がある。トロッコモンスターにはけんじつ・きまぐれ・とつげき・のほほん・ひねくれの5種類があり、クリアするだけならけんじつで十分なのだが、アイテム回収のためにとつげきを使う必要があるなど、やりこみ要素を用意してくれている。

セフィラが安置されている聖殿カナンやそこ至るために通る封印洞は初見ではまず気付かないようなスイッチや仕掛け、また、4つの通路で一人一体ずつ敵とタイマンで戦うトラップや触れるとスタート地点に戻されるキューブが行き交う迷路などこれでもかと言うほどギミックが満載で非常にやりがいがある。

本編ラストダンジョンとなる螺旋の塔では、強い敵がゴロゴロいるのはもちろん、バニッシュリングを使って規則的に変化するクリスタルの色を合わせ、特定の色に特定の回数で会わせる必要があったり、壁にできた小さなひび割れを探し出して中のスイッチを押したりなど、最後の最後まで作り込まれたギミック満載となっている。

ご紹介したのはごく一部だが、どれも作り込みがすごいので、ぜひ攻略法を見ずに一度チャレンジしてみていただきたい。

 

 

③オマケ要素・ネタ編

③-1:プライベートアクション

シリーズ恒例のプライベートアクションPAは、街でキャラ同士の交流や意外な一面を垣間見れるという物。非常に数が多く、発生させることでフェイト→他のキャラ、もしくは他のキャラ→フェイトの感情値が変化し、お互いが一定の値を超えるとカップルエンディングという特殊エンディングを見ることができる。もちろん全てのPAがおもしろいので見ていただきたいが、PAの中で出てくる選択肢の選び方によって感情値は上がることも下がることもあり、特定のキャラの感情値を上げるには決まったPAを逃さずに適切な選択肢を選ぶ必要がある。また、逆に感情値が高いキャラの感情値をあえて下げて他のカップルエンドを狙うなどもできる。「スターオーシャン セカンドストーリー」ではアイテムを使って感情値をある程度コントロールできたが、SO3DCではそれがないため、序盤から地道に積み重ねていく必要がある。そのため全てのエンディングを見るのは非常に手間だが、いくつかのエンディングは、終盤一つのPAの選択肢を変えるだけで見られることもあるので、攻略情報を見ながらスマートにこなしていただきたい。PAの中には、特殊な武器を手に入れられるものや、秘密特訓をしているアルベルと戦えるもの、そしてアーリグリフ国王とエレナの手紙のやり取りを仲介し恋の行く末を見られるものなど様々あるので、やりこみ要素が足りない!という方はぜひ色々と試していただきたい。

 

③-2:エクストラダンジョン

SO3DCには本編ではクリアする必要の無いダンジョン、いわゆるエクストラダンジョンが多数存在し、それぞれかなり作り込まれている。エクストラダンジョンは、①サーフェリオ水中庭園モーゼル古代遺跡 地下水脈③試練の遺跡④ウルザ石窟寺院⑤スフィア社211の5つで、①と④はディレクターズカット版で追加された。

①サーフェリオ水中庭園は、亜人の街サーフェリオの地下にある古代遺跡で、サーフェリオが水に半分沈んでいる街でその下にあるので水中庭園と呼ばれているが、水に浸かっているわけではない。ここでは、ブロックを移動させて通り道を作るパズルを楽しむことができ、ボスを倒すとCPUや2Pと対戦ができる「パラケルススの円卓」が手に入る。この対戦モードは非常に楽しく、キャラの衣装や技を変え、好きなフィールドでBGMを変えて対戦ができるためぜひパラケルススの円卓を入手してプレイしていただきたい。

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パラケルススの円卓でCPUや2Pと対戦

モーゼル古代遺跡地下水脈は文字通りモーゼル古代遺跡の地下にあり、ここでは特定のモンスターを誘導して鍵を開くというギミックを楽しむことができる。最奥部ではバトルチェスというチェスの簡易版のような物をプレイすることができ、現れる亡霊との来戦に勝利すると豪華なアイテムを入手できる。ちなみにここのボスはトリオで、コントのようなやり取りを楽しむことができる。

③試練の遺跡は、ラスボス・ルシファーの前のセーブポイントでセーブすると現れるバーニィ(ウサギのようなむっちゃらもっちゃらな生物)がその存在を教えてくれる。中は非常に強力なモンスター・ボスが存在し、アイテムクリエイションで強化した武器や防具がないと辛い。遺跡に入るとまず、ここは本編と全く関係が無く、本編のシナリオやキャラを無視しているので印象を壊されたくない方はご注意下さいという旨のアナウンスが入る。その言葉通り、道中にスターオーシャンシリーズ恒例キャラのパフィが登場し、彼女とのコント的やり取りや戦闘を楽しむことができる(最終的にパフィは調合のアイテムクリエイターとして契約できる)。また、同じトライエースが製作したヴァルキリープロファイルよりレナス(子ども化している)が現れ、死んだはずのヴォックスを「本気ヴォックス」として召喚する。これを倒し「こんなに強かったら本編クリアできねー」と突っ込みを入れつつ進むと、今度は黒くて小さくて丸い「まっくろくろすけ」のようなモンスター「モンジャラゴラ」が現れる。めちゃくちゃ強いが倒すと、ここのラスボスにしてトライエース作品(ヴァルキリープロファイルラジアータストーリーズスターオーシャン恒例の隠しボスの一人ガブリエ・セレスタとの戦闘になる。フィールドほぼ全体攻撃のブルーフィッシュボルトなど高いダメージの技を出してくるが、属性耐性かDEF(防御力)を十分あげていればノーダメージで倒せる。ただし、前述したスターガードを使うため、気を抜くとカウンターオーラで一瞬で死んでしまう。倒すと、各種豪華アイテムに加え次のエクストラダンジョン⑤スフィア社211が解放される。また、試練の遺跡では各キャラのここでしか入手できない強力な武器や防具、バトルスキルが宝箱に隠されており、それらも逃さずに入手したい。

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本編のイメージとは全く違うので注意

ウルザ石窟寺院は前述の通り、ディレクターズカット版で追加されたダンジョン。クロセルがいたウルザ溶岩洞最奥部の横道から行ける。4種の宝珠(火、水、地、風)があり、それぞれを台座に乗せると相対する色(火→水、水→火、地→風、風→地)の壁が消える。台座は限られた数しかないため適切な組合せをしないと先に進めないというパズルになっており、階層が進む毎に難しくなる。1、2階層ではアルベル・ロジャー・ネルの内仲間にしていない方がフロアボスとして登場する。こちらのことは知らず、遺跡の侵入者などと思い込んで襲ってくる。最下層の3階層では主人公フェイトとエンディングでカップルになったキャラがボスとして登場する。孤独エンディングだった場合はラスボス・ルシファーと共に登場する。どの組合せも凶悪だが、個人的にはソフィアとの組合せだと強力な紋章術を連打されて、属性耐性がないと正直辛い(紋章術は防御力が高くてもダメージが入るため)。色々な組合せを試すにはプライベートアクションを駆使して色々なエンディングを見る必要があるが、ぜひチャレンジしていただきたい。

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難解なトラップや味方キャラとのバトルなどここでしか味わえない要素が満載

⑤スフィア社211は③の試練の遺跡をクリアすることで開放される。ストーリー中に一度訪れたスフィア社で、その時は5階から211階までエレベーターで一瞬で登ったが、今度は101階から211階まで1階ずつ登っていくというもの(6階~100階もアイテムがあるが行く必要はない)。道中は気を抜けば即死の強敵がゴロゴロいるのに加え、約10階毎にフロアボスが現れる。現れるボスは例えば101階は本編で最初に倒したボス・ノートンが「帰ってきたノートン」として現れるなど、試練の遺跡同様本編ガン無視のネタ要素満載になっている。各フロアの構造は8パターンあるうちのどれかが適応されており、8パターン暗記しないと踏破にすごく時間が掛かってしまう(構造や敵の配置で判別可能)。また、各フロアには様々なレアアイテムがあるのだが、空っぽの宝箱も多く、がっかりさせられた数は数え切れない。210階ではヴァルキリープロファイルの登場キャラクターであるレナスがボスとして現れ、異次元の強さで攻撃してくる。それになんとか勝利し、頂上の211階に到着すると、そこにはガブリエ・セレスタと同様トライエース作品(ヴァルキリープロファイルラジアータストーリーズスターオーシャン)恒例の隠しボスであるイセリア・クィーンが待ち構えている。これまでのボスとは比べものにならない強さだが、ユニバースモードまではしっかりした装備とレベルがあればなんとか倒せる(FDモードもギリギリ倒せる)。イセリアを倒すと「昂翼天使の宝珠」を入手できる。そしてこのアイテムを、ウルザ溶岩洞のクロセルが鎮座していた場所に持っていくと、本ゲーム真のラスボスであるフレイヴァルキリープロファイルの登場キャラクター)が現れる。イセリアから更にもう一段階強いこのボスに苦戦を強いられるだろう。フレイはギャラクシーモードでもHP2000万とされており、FDモードでは恐ろしいステータス値になる。FDフレイ撃破のバトルコレクションも60分撃破となっているのだから、60分以上は通常掛かると言うことだろう。私もFDフレイは二度と戦いたくないと思うほど強敵だった。ご興味がある方はぜひ。

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最上階に待ち受けるのは定番の隠しボス「イセリア・クイーン」

③-3:ゲームの中でゲーム

本編中で行くことになるFD世界にあるテーマ-パーク・ジェミティ市。ここには、闘技場・バトルチェス・バーニィレースの3つのミニゲームが用意されており、それぞれ本編クリアとは全く関係ないが、豪華賞品や賞金を目的に楽しむことができる。

闘技場では、ランキングバトル・シングルバトル・チームバトルを楽しむことができ、特にランキングバトルは最下位から徐々に勝ち上がってランキングを挙げていくというもので、最後に戦う名誉チャンピオンソロン・リュートディルナ・ハミルトン)は本編ラスボスより数段強く、しっかり準備しないと勝てない。勝利すると”祝”優勝トロフィーというめちゃくちゃ強力なアクセサリーを貰え、エクストラダンジョン攻略に非常に役に立つので、時間はかかるがぜひ手に入れたい。他にも、シングルバトルで最高難易度をクリアすると、武器に合成することでATK+1000の効果を得られる闘技秘伝書など豪華アイテムが用意されていたり、ランキングバトル上位のチームを倒すと莫大なフォル(お金)が手に入ったりするため、ミニゲームではあるがエクストラダンジョン攻略にはほぼ必須要素とも言える。

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レベル上げや資金稼ぎに闘技場はうってつけ

バトルチェスでは、前述のモーゼル古代遺跡地下水脈の最下層でしたものを更に高難易度にしたものを楽しめる。毎回は位置は異なるため必ず勝てる方法はないが、コツを知れば高い確率で勝て、豪華景品を手に入れることができる。

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相手の配置を見てこちらの駒の配置を決める

バーニィレースでは、バーニィという丸っこいウサギのような生物をトラックで走らせてその着順を予想する競馬のようなもので、予想が的中するとポイントが貰え、ポイントの合計に応じて豪華賞品が手に入る。100ポイント貯めると、鍛冶のトップアイテムクリエイターであるボイドとの契約に必要な折れた魔剣、1000ポイントで”祝”優勝トロフィーと同じくめちゃくちゃ強力なアクセサリーである”祝”1000記念トロフィーが貰えるが、レースの勝敗は完全に運なので、連射パッドの付いたコントローラー無しにこのポイントを集めるのは正気の沙汰ではない

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レースはスキップもできないため非常に時間が掛かる

以上のように、ミニゲームではあるが全てやりこむと非常に時間が掛かるものとなっており、物足りなさを感じた方はぜひこちらもやりこんでいただきたい。

 

 

③-4:各種ネタ要素

前述のエクストラダンジョンでのやり取りも十分ネタ要素なのだが、SO3DCではそれ以外にも非常に細かいネタ要素がゲーム内に隠されている。

まずは本棚である。作中色々な街の色々なとこのにある本棚には興味深いタイトル・内容の本が色々入っている。例えば最初に訪れるウィルプ村の村長の家に本棚にはスターオーシャン1や2を彷彿とされる魔王や神の十賢者の話が載っていたり、アリアスの民家には「星の海物語(=スターオーシャン)」「二酸化硫黄物語(=SO2=スターオーシャンセカンドストーリー)」「乙女の横顔(=ヴァルキリープロファイルのパッケージ)」「藍いボール(=スターオーシャン ブルースフィア)」という題名の本があったり、アリアス領主の屋敷の本棚にはスターオーシャンEXのOP・EDの楽譜があったり、バール遺跡の本棚にはエロ本が入っていたり、アーリグリフ王の部屋の本棚にはエダール剣技スターオーシャン歴代主人公が使う剣技、フェイトは使わずアルベルが使う)に関する本があったり、カルサア領主ウォルターの部屋の本棚には七星奥義・ネコ奥義など(スターオーシャン1にで出てくる奥義)やスターオーシャンセカンドストーリーに出てくる民話が載っていたりなど、ご紹介しきれないほど細かいネタが満載だ。本棚によってはストーリーの進行具合によって内容が変わったりするので、小まめにチェックすると更におもしろい。

他にも、アリアスのお墓に「ユウシャ ロト ココニモネム」と書いてあったり、協会に冒険の書的なものがあったり、ペターニの家の前のバケツにイオの巻物が入っていたりなど、スターオーシャントライエースの過去作だけでなく有名な他のゲームに出てくるものなどが開発者のお遊びで各所に配置されている。知らない人には何のことだか分からない物ばかりだが、分かっている人にとってはこれらを探すだけでもプレイするのがとても楽しくなる。

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小ネタは色々なところに隠されている。本棚を見つけたら必ずチェックしよう

他にも、ゲーム中各所にある預言書というアイテムを6巻集めて、書いてあるひらがなを縦読みすると、開発者からプレイヤーへのアドバイスやメッセージになっている(シリーズ他の作品でも登場する)。また、ゲーム中で言及されることはないが、「スターオーシャン セカンドストーリー」で十賢者をエタニティスペースから脱出させたのがスフィア社の人間であることや、回復の紋章術が使えるエリクール人はセカンドストーリーに登場するネーデ人の末裔であること、シーハーツで施術兵器を開発したエレナは、エターナルスフィア開発の時に戻ることができなくなったFD人であることなど様々な説や裏設定が考察・設定されており、公式設定資料集などを読んで考察すると非常に楽しい。

メニューにある辞書には、本編で登場した様々なワードが詳細に説明されており、本編クリアに必要ないものも事細かに解説されている。SF好きはこれを読むだけで数時間をあっという間に過ぎてしまうことだろう。

おそらく全てのネタ要素は拾いきれないのではないかと言うほど、細かい無数のネタが用意されているので、本編だけでなくこちらも楽しんでいただければよりこのゲームをプレイするのが楽しくなるだろう

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辞書には冒険に全く必要の無い細かい情報がびっしりと書き込まれている

 

 

 

 

 

~終わりに~

2万字を超える長編でお届けした本記事だが、まだまだ細かい点は語り切れていないと思う。思い出したら都度この記事を更新していこうと思うので、興味がある方はぜひ。シナリオにこそ賛否両論があるこの作品であるが、そのシステムは常に高い評価を受けており、間違いなく名作ゲームの一つである。細かい点まで堪能したいのであれば、本記事を参考にぜひご自身でプレイしてみていただきたい。また、2022年にはシリーズ最新作の発売も決定しており、こちらにも期待したい。最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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ゲーム「ニーアオートマタ NieR:Automata」を語る(ネタバレ注意)

~はじめに~

本日ご紹介するのは、ニーアレプリカント/ゲシュタルトの続編にあたる「ニーアオートマタ NieR:Automata」である。本作は2017年に発売され、2021年6月には世界累計出荷数が600万本に達するなど、日本だけでなく世界中で大ヒットした作品である。本日はその魅力について語っていきたい。

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~あらすじ~

”遠い未来

突如侵略してきた異星人。

そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」

圧倒的戦力の前に、人類は地上を追われ付きへと逃げ延びていた。

地球を奪還するために人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。

さらに膠着した戦況を打破する為、新型アンドロイドである戦闘用歩兵「ヨルハ」部隊を投入する。

人のいない不毛の地で繰り広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦い。やがてそれは知られざる真実の扉を開けてしまうこととなる・・・・・・” 

(公式HPより引用)

 

 

 

~プレイ感想~

①ストーリーに関して

 本作は、前作「ニーアレプリカント/ゲシュタルト」から数千年後という設定で、所々前作と関係する記述や登場人物達が登場しファンを楽しませてくれるが、基本的に前作とストーリーの繋がりはなく、本作からでも楽しめるようになっている。

 プレイヤーは人類側の兵器であるアンドロイド兵として、異星人が創り出した機械生命体と戦い、地球の奪還を目指すというのが当初のストーリーである。しかしながらあらすじにもあるように、機械生命体達と戦うにつれて隠された真実が徐々に明らかとなり、主人公やプレイヤーを悩ませるのである。こういった展開は前作と似ていると言える。

 また、前作同様本作もマルチエンドを採用しており、A~Dのメインエンドに加えE~Zの全26種類のエンドが用意されている。A~Dエンドでは視点やプレイキャラが代わりながら周回プレイすることで隠された真実が徐々に明らかになっていく。なお、前作同様特定のエンディングではセーブデータが全て消去されるという設定になっているため、注意していただきたい。

 Cエンドクリア後にはチャプターセレクトモードが解放され、取りこぼしたクエストやエンディングをいつでも途中からプレイすることができ、後述のやりこみ要素をする上で非常に便利な設計となっている。

 

 

②戦闘に関して

  基本的には小剣や大剣、ガントレットという武器と、ポッドという射撃や特殊なスキル発動が行える支援ユニットを併せて戦う。極端な話で言えば、ポッドによる遠隔射撃をずっと行っていれば安全に敵を倒せるのだが、ポッドのみではダメージが低かったり盾を装備していてダメージが入らない敵もいたりするため、武器での攻撃も併せて行う必要がある。スキルは、レーザー砲のような物や盾を出す物、地面から槍を出す物など様々で、これらの一部は前作ニーアレプリカントで主人公が使っていた術に由来している。また、プレイ中いつでも変更できるゲーム難易度をEasyに設定すると、オート回避やオート狙撃など設定することができ、これらを使えば勝てない場合だけ難易度を下げたりゲームが苦手な方でも難なくプレイすることができたりするような良心設計となっている。なお、戦闘が楽な分、死んだときのデスペナルティは重めで、装備していたステータスを上昇させるプラグインチップと呼ばれるアクセサリーのような物が全て失われ、規定時間内に死亡した場所に戻ってそれらを回収しないとロストしてしまう。回収するまでにもう一度死んでしまった場合も同様なので注意が必要だが、Easyモードにすればまず死ぬことはないので初心者の方でもご安心いただきたい。

 

 

 

③アイテムなどについて

 敵を倒したりフィールドでアイテムを採集したりすることで、武器やポッドを強化したりする素材を入手できる。中にはレアな物も存在するが、基本的には普通にプレイしていれば集められ、周回プレイ後半では多くの素材を店で買うこともできる。そして何と、最終的にはトロフィー(実績)までも店で購入できるという良心設計。これら武器強化やアイテム購入には多くの資金が必要で、周回プレイ初期はお金が足りず苦労するが、後半は換金アイテムの売却や、アイテムの転売により容易に資金を稼ぐことができる。

 

④やりこみ要素について

 前述のA~Zまでのマルチエンディングに加え、本作ではモンスター図鑑のような敵の一覧を集めたり、エスをコンプリートしたりなどやりこみ要素は満載だ。隠しアイテムの中には、前作ニーアレプリカントで出てきた「ゲシュタルト計画書」なるものも登場し、前作を知っているファンを楽しませてくれる。また、武器を強化していくことで解放されるウェポンストーリーを読むと、所々前作と関係のある文章もあり面白い。このように前作に引き続き本作もやりこみ要素満載となっており、特にシリーズファンにとって楽しい内容となっている。

 

 

 

 

 

~最後に~

 上記のように本作も前作に引き続き完成度の高いものとなっている。また、前作以上にプレイヤーに対して良心的な設定となっており、このことも全世界でヒットした要因なのかもしれない。興味がある方はゲームが苦手な方でもぜひお気軽にプレイしてみていただきたい。

 

 

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50記事記念:おすすめ推理小説・ゲームベスト5/やって来た感想

~はじめに~

本日は、記念すべき50記事目という事で、これまでご紹介してきた推理小説・ゲームの中から現時点でのベスト5のご紹介と、ここまでブログをやって来た感想を述べようと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                      

 

 

 

 

 



 

 

 

 

~おすすめ推理小説ベスト5~

 

西澤保彦著「人格転移の殺人」

 西澤氏の作品で初めて読んだ作品。一般的な本格ミステリばかり読んでいた私が初めてSF推理小説に出会い、推理小説の概念を覆されたため強く印象に残っている。この作品を読んで以降、他のSF推理小説や特殊設定ものを好んで読むようになった。特殊な設定を設けるだけでなく、その設定ならではの展開と理解しやすいラストが秀逸。

 

綾辻行人著「黒猫館の殺人

 綾辻氏の「十角館の殺人」から推理小説を読み始め、館シリーズは全て読んできた私が最も衝撃を受けた作品。館シリーズ恒例のトリックなどを念頭に置いて読んでいたにもかかわらず、まんまと騙されラストで驚愕し最初から読み直した。これを読んで以降どんでん返しものが好きになった。細部までこだわり抜いた文章と読者に対してあくまでフェアな記述がすばらしい。

 

相沢沙呼著「medium 霊媒探偵城塚翡翠

 最近読んで一番感銘を受けた作品。特殊設定ものが好きで色々読んできたが、本作が最も特殊設定をうまく生かしていると感じた。終盤の怒濤の展開は仰天必須で、世界がひっくり返る。解法が複数ある点なども含めて推理小説の進化を感じさせてくれた作品。

島田荘司「ロシア幽霊軍艦事件」

 御手洗潔シリーズの中で最も感傷的な気分にさせてくれた作品。世界を舞台としたスケール感の大きさや歴史に挑戦する壮大さに感銘を受けた。推理に無駄がなく、美しく解かれていく歴史上の謎はあたかも事実のようで、歴史小説を読んでいるような気分にもさせてくれる。

 

歌野晶午「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」

 ゲーム感覚で殺人を推理していく魅力を教えてくれた作品。一人が犯した殺人を複数人でゲーム感覚で推理していく内容で、みんなで答えを出していく楽しみのような感覚を味わった。また、ゲームだからこそ成立するようなトリックなどもあり、設定をうまく生かした作品。実際こんなことが行われたらと思うとゾッとするが、娯楽本としては非常に楽しめた。

 

 

 

~おすすめゲームベスト5~

①「スターオーシャン3 Till the End of Time ディレクターズカット

 最も長時間プレイしてなお飽きない作品。スターオーシャンシリーズ中で最も賛否が分かれるストーリーとなっているが、どんでん返し系の推理小説やSFが好きな私にとっては非常に好みな展開。また、やりこみ要素やクリア後のエクストラダンジョン、細部の作り込みが半端ではなく、リエーターの熱意(遊び心?)を強く感じる作品。

 

②「 エイジオブエンパイア

 PCゲームとして最もはまった作品。実際の歴史の登場した文明や兵器を使って敵を攻撃することができ、勉強になる。また、どのように敵を攻略するのかはプレイヤー次第で、非常に自由度が高く、何度やっても飽きの来ない作品となっている。今や数多くあるリアルタイムストラテジーゲームの根幹を作った作品である。

 

 

③「ヴァルキリープロファイル

 フィールドアクションの魅力を知った作品。様々なRPGをやって来て戦闘やストーリーで魅力的な作品も多いが、本作はそれに加えて難易度の高い多種多様なフィールドアクションが魅力の一つ。うまくできないとイライラすることもあるが、意地でもクリアしたくなる魅力がある。ゲームがプレイヤーに優しくなってきた昨今では見られない難易度を味わえる作品。

 

④「エンドオブエタニティ

 シリアスさとコメディ要素を併せ持つ作品。メインストーリーはかなりシリアスな内容にもかかわらず、それを感じさせないほどコメディ要素が各所にちりばめられており、最初から最後まで楽しくプレイできる。戦闘も他では見られない爽快なアクションを楽しむことができ、バランスの良い作品となっている。

 

⑤「NieR Replicant ver.1.22474487139...

 周回プレイを飽きずに楽しめる作品。一周クリアしただけではもやもやした感じが残り伏線も回収されないが、何度も周回プレイをすることで隠された真実が明らかになっていく。1回クリアしたらそれで終了というゲームも多い中、何度もプレイヤーを楽しませてくれる。コンシューマーゲームにはこういったプレイヤーを何度でも長時間楽しませるような工夫が必要だと感じさせてくれる。

 

上記ランキングは、あくまで現時点の物であり、今後これらを超える感動を与えてくれる推理小説・ゲームに出会えることを切に願っている。

 

 

 

~ここまでブログをやって来た感想~

 当初は、これまで読んできた小説やプレイしてきたゲームを忘れないための備忘録として始めたブログだったが、ありがたいことに徐々に読んでくれる方も増えて、もっとうまく書きたいと思うようになった。ページ内のレイアウトやリンクも他の方を参考に少しずつ改良を加え、現在の形となっているが、今後も更に改良を加えていきたい。

 更新頻度は他の方に比べるとかなり低いが、続けることが大事だと思っているので無理のないペースで今後も続けていきたい。とりあえず次は100記事達成を目指し、ゆっくり地道に頑張っていく。

 他の方の記事を読むと自分がこれまで出会ってこなかった作品を知るきっかけになるため、このブログも誰かにとってそういった存在になれるよう努力していきたい。 

ゲーム「あつまれ どうぶつの森」を語る

~はじめに~

本日ご紹介するのは、どうぶつの森シリーズ7作目にあたる「あつまれ どうぶつの森」である。本作は2020年3月20日に発売された言わずと知れた大ヒット作品である。かなり今さらではあるが、先日最終大型アップデートもあったため改めて感想を述べたいと思う。

 

 

 

            

 

 

 

 

 

 

 

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www.nintendo.co.jp

 

 

 

 

~プレイ感想~

①本作に関して

 本作はどうぶつの森シリーズ7作目となるが、実は本作が私のシリーズ初プレイ作品になる。というのも私は専らRPGをプレイすることが多く、こういったアドヴェンチャー・シミュレーション系のゲームはあまり触ってこなかったからである(牧場物語をちょこっと触った程度)。そんな私がなぜ本作をプレイするに至ったかというと大きく2つの要因がある。1つ目の要因はなんと言ってもコロナ禍という社会情勢だ。本作が発売された2020年3月20日はコロナ禍真っ直中の時期で、家で過ごすことにあまり慣れておらず時間をもてあましていた。そんな時に発売されたのが本作で、RPGとは異なり明確なゴールがない本作は正に無限にやることがあり、コロナ禍という状況にぴったりだったからである。おそらく本作が大ヒットした要因もコロナ禍という状況にマッチしていたからであろう。2つ目の要因はswitchの購入券が当選したからである。本作発売当時、switchはどこも品薄状態で中々購入できない状況にあった。そんな中、本作と特別デザインのswitchのセットが発売されたのだ。当然大人気となり抽選販売となったのだが、なんと何気なく応募したら購入権が当選したのである。品薄のswitchが手に入り、既に評判となっていたあつ森もプレイできる、ということで即購入に至ったのである。

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何もないから、なんでもできる

 本作のキャッチコピー「何もないから、なんでもできる」。正に本作を表すにふさわしい一言である。無人島に到着当初、島には何もなく、草木が生い茂っているだけである。そこから、家を建て、橋を架け、道路を整備し、花を植え、家具を飾り一つの街を作り上げていくことはかなり大変ではあったが、もともとRPGでもやりこみ要素が大好きだった私にはこの上なく楽しくやりがいのある時間であった。更に街を作っても終わりではなく、定期的に季節のイベントなどのアップデートが入ることで飽きずにずっとプレイすることができた。決められたストーリーに沿って物語を薦めていくRPGに慣れていた私にとっては全てを自分の思いのままに進めるという感覚は不安ではあったが、やってみるとかなり楽しく、あれもこれもと無限にやりたいことが湧き上がってきた。普段プレイしないジャンルのゲームをプレイすることでこういった新しい喜びを発見できることを改めて教えてくれた作品である。

 

③やりこみ要素

 本作は、言ってしまえば全てがやりこみ要素なのだが、その中でも私が特に大きな割合を割いたのが、「花の品種改良」「生き物図鑑」である。花の交配システムは過去作から合ったらしいが私は初体験で、農学系出身の私からするとかなり興味をそそられた。実際やってみるとかなり大変で、全部で8種類ある花それぞれに数種類の交配が設定されており、シリーズ初プレイとなる私には効率的な方法も分からず、かなり苦労した。また、適切に交配を行っても、目的の色の花ができるかは運次第であるため、毎日起動する度にドキドキしていたものだ(ちなみに本体時間を動かして時間を進めることは行っていない)。最終的に全種類の花を手に入れるのに1年以上かかり、かなりやり応えのあるコンテンツとなった。2つ目の生き物図鑑は、島に生息する虫・魚・海の幸(アップデートで追加)を虫網や釣り、ダイビングで捕まえて図鑑にするという物だ。これらは数が多いだけでなく、季節や時間帯によって出現する種類が限定されているため、特定の時間だけプレイしていたりするとなかなかコンプリートできず、また、時期を逃すとヘタをすると1年後まで待たなければならなくなるという中々厳しい条件であった。流石に攻略サイトの手助けを掛けながらであったが、2年目の途中で無事にコンプリートできたが、コンプリートしたときはうれしいながらも終わってしまったという寂しさすら過ぎったほどやりこんだ要素であった。もちろんこれらのやりこみ要素が終わっても、島の景観や家具などまだまだやることは無限にあるため、噛めば噛むほど面白い作品である。

 

 

 

~最後に~

 私にとって、プレイ時間もさることながら、ここまで長期間毎日のようにプレイしたゲームは久しぶりであった。残念ながら先日の大型アップデートが最後のアップデートとのことだが、かなり色々なコンテンツが追加されたため、最後の最後までしゃぶり尽くしていきたいと思う。

 

 

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ゲーム「Tales of ARISE テイルズ オブ アライズ」を語る(トロコン済、ネタバレ注意)

~はじめに~

本日ご紹介するのは、テイルズオブシリーズの最新作である「Tales of ARISE テイルズ オブ アライズ」である。本作は2021年9月9日に発売された。国産RPGとしてはファイナルファンタジードラゴンクエストに次いでファンの多いと思われるテイルズオブシリーズであるが、実は私にとっては本作がテイルズオブシリーズ初プレイである。前回、プレイ開始後すぐの感想を投稿したが、今回はトロコンまで完全クリアしたので改めて感想を述べたいと思う。

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~あらすじ~

”隣り合うふたつの星、ダナとレナ。

300年前 自然あふれる世界であったダナは、高度な科学や魔法が発達したレナから突然の侵攻を受けて以来、終わりなき隷属を強いられることとなった。

ある日、鉄仮面に顔を覆われたダナの青年と、同族から追われるレナの少女が出会った。

この思いがけない邂逅は

ふたつの星の運命を揺るがす物語の始まりに過ぎなかった。” (公式HPより引用)

 

 

 

~プレイ感想~

①ストーリーに関して

ストーリーの軸としては、RPGとしては王道であり、理不尽な運命に抵抗し自分たちで道を切り開いていくという物語である。面白いと思った点としては、当初、ダナ人vsレナ人の構図での争いであったが、実はレナ人は本物のレナ人によって改造されたレナ人であり、しかも本物のレナ人も「レナの星霊の意思」によって操られていたという多重支配構造にある。当初は主人公や仲間のダナ人達は、レナ人=悪い奴ら=倒すべき敵という分かりやすい考えに捕らわれ、レナは根絶やしにしなければならないと考えていたが、冒険を進めていくにつれて、レナ人の中にも良い人はいるしダナ人の中にも悪い人はいる、しかもレナ人は実はもともと同じダナ人だったという事実などを知り、悪いことをするのは「ダナ人」でも「レナ人」でもなく「誰か」個人であると言うことに気付かされるのだ。こういった考えは何もゲームの中だけの話ではないと思う。現実でも「○○人だから○○だ」といった国や民族単位で人の良し悪しや性格を判断し、戦争でも「○○人は許せない、根絶やしにするべきだ」といった「全体に対する敵意」が横行しているようにも思われる。本作のストーリーはそういった考えの間違いを気付かせてくれる良いストーリーだったと思う。

 

 

②戦闘に関して

戦闘に参加するのは最大6人のパーティーメンバーの内4名で、その内一人を操作していく。私は基本的に4人は固定で、特殊なボスの時だけ入れ替えるというスタイルでプレイした。というのもメンバーそれぞれに特殊な攻撃が設定されているからで、例えば「空中の敵を打ち落とす」「敵の魔法を妨害する」「敵のガードを破壊する」などである。これらの特殊な攻撃は、戦闘中いつでも使えるわけではなく、敵にダメージを与えたりしてゲージが貯まると使える。しかしながら戦闘パーティに入っていなくともゲージは貯まり、特殊攻撃は使えるので基本的にメンバーを替える必要がないのだ。操作キャラは一番癖がなく使いやすい主人公を専ら使用していたが、他のキャラを使うことでより戦略性も上がることだろう。難易度はノーマルでプレイしたが、基本的にはストーリーに沿って敵を倒していればラスボスはもちろん裏ボスまでレベル上げの必要はなく、サクサクと進められる親切設計であった。正確には敵が自分のレベルより下のレベルになると得られる経験値が激減するため、ストーリーを進めないとレベルが非常に上げにくいのだ。このシステムによって、レベルを大幅に上げてボスも楽勝、という事は中々難しく、常に適度な強さのボスとの戦闘を楽しむことができるという設定になっている。

 

 

 

③アイテムなどについて

本作においてアイテムは非常に貴重だ。特にCP(回復魔法などを使うのに必要なパラメーター)回復アイテムや蘇生薬は敵からはほぼドロップしない上に、店で買うと非常に高価であるのでむやみに使ってはならない。序盤はそれを知らずにバンバン使って苦労したが、後半はマップに落ちているこれらのアイテムを見逃さずに回収したり、後述するクエストをこなしてアイテムや資金を得ることで耐えられた。武器や防具は宝箱から入手する物もあるのだが、基本的には防具は店で買い、武器は素材を集めて鍛冶屋で作製する。どちらも高価なので資金稼ぎが重要になるが、本作では敵を倒してもお金は得られず、ドロップしたアイテムの売却やクエストクリア報酬などでしかお金を集められないので金管理が重要だ。また、アクセサリも集めた素材から製作することができ、攻撃力アップや詠唱時間短縮など、特に後半では戦闘に非常に役に立つアイテムとなっている。

また本作の特徴として、実際に装備している武器や防具以外に、見た目が変わる「ビジュアル」を選択・装備することができ、戦闘中はもちろん全てのイベントシーンにそれが反映される。コスチュームには武器や防具(衣装)はもちろん、ネコ耳や犬しっぽ、サングラスや翼など様々有り、キャラの印象を大きく変えることができる。コスチュームは主にクエストをクリアすることで入手できるため、楽しみたい方は小まめにクエストもクリアしていただきたい。

 

④やりこみ要素について

本作ではやりこみ要素が非常にたくさん存在する。その多くがトロフィー要素であるので一通りコンプリートした。一つずつ見ていく。

エス

全70種で本編クリア前では67種クリアすることができる。クエストをクリアすることで前述のようにお金やアイテムが得られることに加え、各キャラの思わぬ一面や面白いやり取りも見ることができるのでぜひ一通りクリアしてみていただきたい。また、クリア後に解放される3クエストの内の一つ「追憶機械」ではレベル95以上の強敵と7連戦することになるが、クリアすると感慨深いイベントが見られるのでぜひクリアしてみていただきたい。

ギガント

本作では全20種類の「ギガント」と呼ばれる大型モンスターが存在しており、クエストなどで戦闘することができる。ギガントは倒すとCP最大値を10上げる「星霊花」というアイテムをドロップするため、エクストラダンジョンクリアにはぜひ倒したい。

釣り

ストーリーをある程度進めると特定のスポットで釣りをすることが可能になる。釣りには釣り竿とルアーが必要で、ルアーは店で購入したり宝箱から入手する。ルアーによって釣り易い魚が決まっており、ヌシクラスになると特定のルアーが必要になる。釣り上げるには魚の動きに合わせて特定のボタンを押したり左右に引っ張ったりする必要があり、なれるまでは激ムズだがなれると意外と簡単だ。魚は全44種類いるのでぜひコンプリート目指して頑張っていただきたい。

アーティファクト

特定のクエストをクリアしたりすると「アーティファクト」と呼ばれる特殊なアイテムを入手できる。アーティファクトは全23種類で、それぞれに効果が設定されている。中には「獲得経験値アップ」や「獲得スキルポイントアップ」などかなり重要な物もあるので忘れずに入手したい。

フクロウ

マップの様々なところにフクロウが存在し、それぞれからネコ耳などのコスチュームを入手できる。また一定数見つけることで追加で特殊なコスチュームを入手できる。フクロウは全38匹で特にクリア直前に現れる特殊なフクロウは、発見すると金品や装備品を2周目以降に引き継げるアーティファクトを入手できるので、2周目を考えている方は必ず入手したい。

武器・アクセサリー作製

マップ上の収集アイテムやドロップ素材から武器やアクセサリーを作れる。武器は小まめに新作が出るので常に最新にしておくと戦闘が楽。アクセサリーも序盤は必要ないが終盤はあると非常に戦闘が楽になる。アクセサリーは作ったアクセサリー同士を組み合わせて自分だけの効果の組合せを作れるのが、デフォルトの物でも十分に使える。

料理

宝箱やクエストクリアで得られる料理のレシピと、マップ上の収集や店で購入できる食材があれば野営場で料理が作れる。料理を食べると一定時間攻撃力や防御力アップなどの特殊効果が得られる。特に獲得経験値アップはレベル上げをするならぜひ食べておきたい。また、料理によってはイベントシーンを見ることができるのでファン必見だ。

スキット

ストーリーの進行や特殊な条件を達成すると「スキット」と呼ばれるキャラ同士の会話シーンを見ることができる。スキットは全320個もあり(トロフィーは300個で達成)、見逃しても野営の時に見返すことができるのでぜひ全て御覧頂きたい。

闘技場

ストーリーを進めていくと闘技場が開放される。闘技場では「個人戦」と「集団戦」を楽しむことができ、クリアすると報酬のアイテムがもらえる。ここでしか手に入らないアイテムも多いため、余裕ができたらぜひクリアしてみていただきたい。また、無料DLCによって追加される集団戦もここで楽しむことができ、クリアすると特殊なビジュアルアイテムを入手できるのでぜひプレイしてみていただきたい。

エクストラダンジョン

クリア後に解放されるクエストの一つで、エクストラダンジョンの「異界」を訪問できる。異界では本編以上の強敵と戦える他、過去作のキャラとも対戦することができるのでファン必見だ。異界のラスボスはレベル95と強敵だが、普通に異界をクリアしていけばレベルも上がるため、そこまで強くない。また、異界の各ボスを倒すと「魔装備」を入手でき、これまで各キャラが倒してきた敵の数(ラストにダメージを与えた敵の数)に応じて攻撃力が上がるため、ほぼ主人公のみを操作してきた私は主人公のみ大幅に攻撃力がアップした。

 

 

 

 

 

 

~最後に~

私にとってテイルズオブシリーズ最初の作品となった本作だが、非常に高い満足度であった。トロコンまで約60時間と適度な難易度・内容でストーリーやシステムも申し分ない。王道RPGとしてはまれに見る名作の一つになることだろう。私のようにテイルズオブシリーズ未プレイの方もぜひプレイしてみていただきたい。

 

 

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ゲーム「Tales of ARISE テイルズ オブ アライズ」を語る(ネタバレ注意)

~はじめに~

本日ご紹介するのは、今話題の新作RPGTales of ARISE テイルズ オブ アライズ」である。本作は2021年9月9日に発売されたテイルズオブシリーズの最新作である。国産RPGとしてはファイナルファンタジードラゴンクエストに次いでファンの多いと思われるテイルズオブシリーズであるが、実は私にとっては本作がテイルズオブシリーズ初プレイである。まだプレイ中でクリアしていないが、本日はここまでプレイした感想を述べたいと思う。

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~あらすじ~

”隣り合うふたつの星、ダナとレナ。

300年前 自然あふれる世界であったダナは、高度な科学や魔法が発達したレナから突然の侵攻を受けて以来、終わりなき隷属を強いられることとなった。

ある日、鉄仮面に顔を覆われたダナの青年と、同族から追われるレナの少女が出会った。

この思いがけない邂逅は

ふたつの星の運命を揺るがす物語の始まりに過ぎなかった。” (公式HPより引用)

 

 

 

~プレイ感想~

①ストーリーに関して

まだ序盤だけしかプレイできていないが、剣と魔法の世界と高度に発達した科学技術が共存するSFファンタジー的設定スターオーシャンシリーズを彷彿とさせる。スターオーシャンを開発したトライエースがもともとテイルズオブシリーズの開発に関わっていたチームが独立した会社だそうなので近いところもあるのかもしれない。ストーリーだけでなく、アイテムやシステムの名前にも所々両者に共通点が見られた。

現在プレイしている序盤のストーリーとしては、レナの奴隷である主人公がレナからの解放を目指して戦うという王道的な流れであるが、登場人物達はなにやら秘密を抱えているようであるし、レナ本星の情報もほとんど明らかになっていないので、これから面白くなっていくことと思う。詳しくはプレイ後に改めて記事にしたいと思う。

 

 

②戦闘に関して

4人パーティ(序盤は2人)で剣や拳、魔法や銃(魔法と科学技術の融合)でレナの兵士やモンスター(ズーグル)と戦う。主人公は剣で通常攻撃や必殺技を駆使して戦う。各攻撃には連続で出せる回数が決まっており、いかにうまく組み合わせて隙なく連続で攻撃を叩き込めるかが重要である。また、敵の種類や攻撃方法に応じて相性があり、魔法をジャミングするスキルや敵のガードを破壊するスキルなど相手の攻撃を見ながら適切な攻撃を選択する必要があり、ただボタンを連打しているだけでは勝てない戦術性の高い戦闘方式となっている。とはいえ難易度が高すぎるわけではなく、きちんとレベルを上げさえすればストーリー進行には(今のところ)支障はなさそうなレベルだ。また、敵を倒したりすると得られるスキルポイント(SP)を割り振ることで新しい必殺技やスキル、性能アップをすることができる。SPは限られているので、どこに優先的にSPを割り振るのかという点も非常に重要になってくると思われ、この点でも戦術性が求められると言える。

 

 

 

 

③サブストーリー、やりこみについて

ストーリー中、街の住人などの困っている事を聞き解決してあげるというエスを受注できる。内容は特定のアイテム・素材の入手やモンスターの討伐などであり、達成するとお金などを入手できる。今のところそれほど良い報酬のものはないが、やりこみ要素としては十分面白い。

ストーリーメインの会話の他にも、休憩中や街・マップを散策中に仲間達と会話をすることができ、仲間達の性格や思っていること、思わぬ一面なども目にすることができ、ついつい時間を掛けてでも全て見てしまう。そのため中々ストーリーが進まないが、ストーリー以外にも楽しめる素晴らしい仕様と思う。

また、マップの所々にフクロウが隠れており、見つけることで装飾品(装備することでキャラクターの外観が変化する。猫耳、サングラスなど)を入手できる。ストーリー途中でフクロウの杜に行くことができるようになり、見つけたフクロウの数に応じてアイテムをもらえるようだ。フクロウは非常に数が多く、見つけにくいものも多いため見つけるのは非常に面白くやりがいがある。

他にも素材を集めて料理や武具を作ることができ、料理は戦闘に少し有利な効果が得られたりアイテムを得られやすくなったりする効果がある。今のところこれらはそこまで力を入れ手やらなくともストーリーを進める上で支障はないが、積極的に行うことで冒険が楽になると思われ、今後は少しずつやりこんでいきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

~最後に~

まだ序盤をプレイ中ではあるが、テイルズオブシリーズ初プレイの私でも入り易いストーリー・システムとなっており、今後の期待が大きい。少し時間はかかるかもしれないがクリアでき次第改めて感想をアップしたいと多う。

 

 

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ゲーム「ヴァルキリープロファイル-レナス-」を語り尽くす

~はじめに~

今回ご紹介するのは、「VALKYRIE PROFILE -LENNESTH-(ヴァルキリープロファイル-レナス-)(VPL)である。以前、このブログの記事で「ヴァルキリープロファイルシリーズ」については語らせていただいたが、その中でも最初の作品であるVPLは最も完成度が高いシリーズ屈指(日本RPG屈指)の名作である。本日はその魅力について長文で語っていきたい。

 

www.valkyrieprofile.com

 

*ネタバレも含むので、初見でプレイされたい方はご注意下さい。

 

 

                                                                          

 

 

 

 

 

 

 

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~あらすじ~

アース神族ヴァン神族が争いを続けている神界・アスガルドアース神族の王・オーディンは未来を予言するという「ユミールの首」から「神々の黄昏(ラグナロク」が近いことを知る。そこでオーディンは来る決戦に向け、戦力となる人間の英雄達(エインフェリア)の魂を選定し、神界へと導く命を戦乙女・ヴァルキリーの一人であるレナス・ヴァルキュリアに下したのであった。

 

 

 

 

 

 

ヴァルキリープロファイルの魅力~

 

①ストーリー編(Aエンディング、順序や内容は一部脚色あり)

①-1:アリューゼ・ジェラード

ヴァルキリーは3女神(長女アーリィ、次女レナス、三女シルメリア)で一つの身体を共有しているため、他の一人が活動中は人間に転生するという特殊な存在である。人間に転生することで、それによってより人の感情・思いを理解できるようになり、神と人とを橋渡しする役割を担う。アーリィが最も神に近い考えを持ち、シルメリアが人間に近い考えを持ち、レナスはその中間とされる。今回、オーディンからエインフェリア選定の命を受けて目覚めたのはレナス。しかし目覚めたレナスには人間に転生していた頃の記憶がなかった。これはラグナロクに向けて魂の選定を確実に遂行させるためにオーディンによって記憶を封印されていたためだが、レナス自身はその事を知らない。

人間達の住む世界・ミッドガルドへと舞い降りたレナス。レナスには意識を集中することで死に瀕した者の感情や想いを読み取ることができるという能力があり、この能力を使って神界で戦力となり得るエインフェリアを探すのである。耳を澄ましたレナスに聞こえてきたのはアリューゼというある傭兵の声だった。アリューゼは凄腕の傭兵で、先の戦いでも大活躍し国王から報奨を貰うのだが、栄誉のために戦っているのではないと足蹴にする。すると数日後、アリューゼの家に明らかに変装した幼い女性・アンジェラが尋ねてきた。アンジェラの正体は実は王女・ジェラードで、父親を馬鹿にされた恨みを晴らしに来たことを知りアリューゼは反省する。そんなある日、アリューゼは傭兵仲間から積み荷を隣国まで護衛する仕事を受ける。中身を見てはいけないという怪しい仕事だったが引き受ける。しかし途中で王国の兵達に止められ、中を確認すると何と王女・ジェラードであった。大臣の一人が王国の転覆を狙って隣国に王女を受け渡したのだ。逃げ出したアリューゼだったが、悲鳴を聞いて引き返すとそこには広告の兵達を襲うバケモノが立っていた。実は大臣は2重の手を打っており、王女を探す兵達に人間をバケモノに変える「グールパウダー」という薬を持たせ、見つかった場合には関係者もろとも皆殺しにするつもりだったのだ。レナスの力を借りて、迷いながらもバケモノと化した王女を殺したアリューゼ。アリューゼは怒り、大臣を殺すことを決意する。城に突入するも多くの兵達を殺してしまい、これ以上暴れると弟にまで被害が及ぶと思ったアリューゼは自害するのであった。死したアリューゼをレナスはエインフェリアとして迎えようとしたが、「死神とお前はどう違う?」と拒絶する。しかしそんなアリューゼを窘める声があった。ジェラードである。彼女もエインフェリアとしてレナスに選定されていたのだ。彼女の説得もありアリューゼはエインフェリアとしてレナスと共に行くことを決意したのであった。

 

①-2:プラチナ・ルシオ

レナスは再び耳を澄ます。聞こえてきたのはスラム街に暮らす少年・ルシオの声だった。彼には昔プラチナというレナスと同じ美しい銀髪を持つ幼なじみがいた。実はプラチナはレナスの転生体なのだがルシオはもちろんその事を知らず、レナスもまた記憶を封印されているためルシオを覚えていない。プラチナの家は貧しく、プラチナは母親から虐待に近い仕打ちを受けていた。そんな状況下でもルシオと過ごす時間は楽しくなんとか生きていたのであった。しかしある日ルシオはプラチナが身売りに出されるという情報を入手し、夜中にプラチナを連れて逃げ出した。一面スズランの草原に逃げてきた二人だったが、プラチナの心は限界だった。ルシオといるのは楽しいが生きるのが辛い、全て忘れてしまいたいと言い、スズランの毒に当てられて死ぬことを選んでしまった。その後ルシオはスラム街で仲間達とスリをやって生きていたが、ある日仲間が貴族の財布に手を出し、見せしめにスラム街は焼き討ちに遭ってしまう。仲間を逃がすルシオだったが、仲間を庇い矢に打たれて死んでしまう。勇敢な彼をエインフェリアとして迎えたレナスにルシオはプラチナの影を見る。レナスも何かを感じ取るが、プラチナの頃の記憶が封印されているためルシオのことを思い出すことはできない。

 

①-3:レザード・メルティー
レナスは再び耳を澄ます。聞こえてきたのは傲慢な天才魔術師・メルティーの声だった。 彼女は天才魔術師だったが、エゴイスト・ナルシストで周りの反感を買っていた。ある日、共に魔法学園を追放された中である魔術師・レザードの研究施設に忍び込み、実験用のホムンクルスを盗み出してしまう。取り戻しに来たレザードに対し、メルティーナは条件を出す。人間界と神界を繋ぐ虹の橋・ビフレストに関する情報である。レザードはエルフの住む森の奥に入口があり、霊体であれば通過できることを伝える。早速その夜幽体離脱してビフレストに向かうメルティーナだったが、実はそれはレザードの罠だった。幽体離脱した彼女の身体はレザードによって氷漬けにされ、メルティーナは死んでしまった。性格に問題はあるものの優れた魔術師である彼女を、レナスはエインフェリアとして迎えた。
メルティーナを殺し、ホムンクルスを奪還したレザードは笑っていた。彼にとってこのホムンクルスは重要な物だった。愛しの女神を手に入れるために。レザードもメルティーナと共に学園で学んだ錬金術ネクロマンサーの二足のわらじを履きこなす天才魔術師だったが、残虐でエゴイストであった。そんな彼が賢者の石を手にし強大な力を手にしてしまっていた。そんな彼がある日レナスの存在を知知り、人と神の間の不安定な存在に惹かれ、レナスに歪んだ恋心を抱く。そして彼はエルフを使ってレナスそっくりのホムンクルスを彼女の器として創り、そこに彼女の魂を入れることで彼女を神々の支配から解放し、自分のものにしようとしていた。神と人間の許されざる恋。通常ならば諦めざる得ない状況だが、不幸なことにレザードには賢者の石によって手にしたそれを可能にする力があった。それが後々世界をゆがめていくこととなるのだがそれはまた別の話(VP2

 

①-4:レナス覚醒

レナスは転生体・プラチナの頃の記憶をオーディンに封印されていた。プラチナの時に受けた母親からの虐待やルシオとの思い出が、エインフェリアを選定するのに邪魔になると考えたからだ。

レナスも当初は何も覚えてはおらず、オーディンの命に従って忠実に任務をこなしていた。しかし、ルシオとの運命の再会やレザードに言われた「あなたは自分がどのような存在なのか丸で理解していない」という言葉により、徐々に封印が解けていく。

ある日レナスは、スズランが咲き誇るに草原に降り立った。そこには不死者たちが集まっていた。レナスが不死者を蹴散らすと、そこには石が積まれた小さなお墓のような物があった。レナスの頭に何かがよぎる。これはルシオが作ったプラチナのお墓だった。

ある日レナスはとてつもなく強烈な波動を感じ取った。その波動は、数多の不死者を束ねる不死者の王・ブラムスのものだった。彼は世界を安定化させる四宝(ドラゴンオーブ・グングニル・レヴァンテイン・シルヴァンボウ)に匹敵する力を持っていると言われ、長く神々と対立してきた。そんな彼と対峙したレナス。その頭上には三女・シルメリアの精神体が捕らわれていた。「決着をつけに来たというわけではなさそうだな」とブラムス。レナスには何を言っているのか分からない。「オーディンはお前を人形にでも変えるつもりなのか」「妹(シルメリア)を見ても何も思わないのか」とブラムスは繰り返すが、レナスには何も分からない。不死者の戯れ言と構わず闘いを挑むが、圧倒的な力の前に敗北し、ブラムスは去って行った。レナスには自分が覚えていないことがあるという蟠りが残った(シルメリアとブラムスについてはVP2で語られる)。

ある日レナスは、ルシオを神兵としてアスガルドに送ることにした。レナスは選定したエインフェリア達を育て、十分な戦力になったと判断すると神界に送ることが使命である。その順番がルシオにも来たのだ。幼馴染み・プラチナのおもかげをレナスに見ているルシオは別れを惜しむ。ルシオの持つ蟠りをなんとか解消したいと思うレナスは、ルシオと話をする。ルシオはレナスをプラチナが育った村へと連れ出す。何か思い出さないかとルシオは言うが、レナスには何も思い出せない。スズランの草原に着いた。ルシオはここで昔プラチナを死なせてしまったこと、レナスにプラチナの影を見ていることを話す。ルシオはレナスに髪飾りを取ってくれないかと頼む。レナスは髪飾りを外し、プラチナと同じ顔でそっとルシオ口づけをする。これで未練が消えるのならと。神界にルシオを送った後レナスはつぶやく。人間と神との間に、愛情が成立するはずがないと。しかしレナスはルシオとの再会を楽しみにしている自分に気付いたのだった。

神界・ヴァルハラ。エインフェリアとして転送されたルシオは神兵として戦いながらもレナスのことが忘れられずにいた。そんな彼に神の一柱であるロキがレナスの記憶が封印されていることを教える。更にロキは、禁じられてはいるが水鏡を使うことでレナスと連絡をとることができ、ルシオが語りかけることでレナスの封印を解くことができるのではないかと伝えた。ルシオは迷いながらも水鏡を使用し、レナスと連絡をとった。突然の連絡に戸惑うレナス。ルシオイヤリングの片側を送り、もう片方は別の場所に隠したと告げる。本当に受け取ってほしいものはイヤリングなんかじゃないけど、想いが伝わればもう片方の場所も分かるはずと。しかしレナスは無断で水鏡を使った事を責めてしまう。こんなくだらないことのために、と。通信は途切れ、ルシオは何でこうなってしまったんだと悔いる。そこにロキが現れる。ロキは四宝の一つ・ドラゴンオーブを盗み出し、その力でオーディンに封印された力を取り戻していた。そしてルシオに告げる。お前はこれからオレに殺される、ドラゴンオーブを盗んだ犯人として、と。そう、ルシオロキがドラゴンオーブを盗むのに利用されてしまったのだ。ルシオはロキに殺害されてしまう。ロキはオーディンルシオがオーブを盗み出し、現場に居合わせた自分が始末した、オーブはルシオが水鏡を使ってミッドガルドに隠されたと報告する。オーディンは怪しみながらもロキを泳がせることにしたのだった。

その頃レナスは、スズランの草原にいた。なぜか分からないがここにもう片方のイヤリングがあると思ったからだ。そしてイヤリングはプラチナのお墓に隠されていた。それを見つけたとき、封印されていたレナスの記憶が戻る。しかし、封印が解けそうになった瞬間、レナスは強制的に転生させられ、代わりに長女・アーリィが召喚されてしまう。強制的に自分に従うように命令するアーリィに、アリューゼ・ジェラート・メルティーナたちエインフェリアは反抗するがその力の前に歯が立たない。殺されそうになったところを残っていたレナスの精神体が守り、アーリィはどうせ行き場はないと去って行った。草原には共生転生によって散らばったレナスの精神体が漂っていた。しかしこのままでは消えてしまう。突如聞こえてきた声に従ってメルティーナは魔法により空間を凍結し、散らばったレナスの精神体を回収した。そしてそのようにアドヴァイスしたのはかつての敵・レザードであった。しかしレナスを取り戻すという点において彼とは利害が一致しており、一時的に協力することに。まずはレザードの作ったレナスそっくりのホムンクルスに回収した精神体を入れて劣化した魂を保存することに。しかしこれは一時的な措置に過ぎず、本当にレナスを取り戻すには、アーリィを倒し、肉体という器を取り戻す必要がある。そこで彼らはアーリィがいるブラムス城へと向かった。ブラムスはアーリィの前世からの宿敵であり、早速闘いに来ていたのだ。事情を知ったブラムスはレザードらと協力することを選び、アーリィは倒される。砕け散った器を再び空間凍結で結晶化して入手した彼らは、その器とホムンクルスに入った精神体とを融合させ、レナスは復活した。しかし復活したレナスは取り乱していた。記憶が戻り、ルシオにひどいことを言ってしまったこと、そしてルシオが殺されてしまった事を知ったためだ。心を取り戻した彼女はもはや神ではなく、一人の女性として嘆き悲しんでいた。

その頃ヴァルハラでは、オーブを盗んだロキがアース神族の敵である、ヴァン神族の元を訪れていた。ロキは四宝の一つ・魔剣レヴァンテインを飲み込んだ魔竜・ブラッドヴェインと魔狼・フェンリルを連れて寝返りを提案しに来たのだ。しかしアース神族の王・スルトは、魔物の力を借りるほど落ちぶれてはいないとロキを拒絶する。するとロキはあなたたちに選択肢はない、とドラゴンオーブの力を解放し、アース神族を、そして神界を滅ぼしてしまう。ラグナロクの予言は現実のものとなってしまったのである。ロキはアース神族ヴァン神族の間に生まれた子で双方から蔑まれて育ってきた。そんな彼は全てを憎んでおり、オーディンラグナロクに備えて人間界から持ち帰っていたドラゴンオーブを利用して逆にラグナロクを起こしてしまったのであった。

知らせを受けて神界に戻ったレナスは無残に焼き払われたヴァルハラを目にする。そしてロキを止めるために戦うことを決意する。オーディンを殺され、生き残ったフレイはロキを倒すより神族全体を立て直す方が先だとレナスを止めるが、人間の心を取り戻したレナスにとっては、ラグナロクを引き起こしたのは地上の安寧をもたらすドラゴンオーブを盗んで持ち帰っていたオーディンの自業自得だった。そしてオーディンの死を悲しむフレイに対して、どうしてその感情を人間にも向けてあげられないのかと怒るのであった。

ロキを探すレナス。途中、魔狼フェンリルや魔竜ブラッドヴェインを倒し、四宝の一つ・レヴァンテインを手にし、ロキに決戦を挑む。しかしレナスはエインフェリア達への被害を恐れ、レヴァンテインの力を解放しきれずにいた。一方ロキはドラゴンオーブの力を解放し、一面を焼け野原にしてしまう。レヴァンテインの力によって一人だけ生き残ったレナスにロキは,自分のためだけに力を使うのが正しいと言うがレナスは聞いていなかった。耳を澄ませていたのだ。世界に存在する全ての人々の声に。感じていたのだ。世界に存在する全ての人々の悲しみを。そしてなんとレナスは、ロキに破壊された世界を再生する力を発揮した。レナスがこの創造の力を手にしたのは、アーリィに奪われた身体を取り戻した際にホムンクルスを使ったことに起因していた。ホムンクルスは人間とエルフを半々使って作られる、つまりハーフエルフと同等なのだ。ハーフエルフは神の器でありながら人間と同じ「成長する力」を持っており、本来完璧で成長することのない神が成長し、更なる力を得ることができるのだ。何を隠そうオーディンがハーフエルフであり、故に神々の王になる力を得たのである。その力がレナスにも宿り、創造する力を手に入れたのである。その力によって創造神・レナスはロキに破壊された世界を再生したのであった。そしてロキを倒した彼女の前に死んだはずのルシオが現れる。創造の力によって生まれ変わったのだ。レナスはルシオと抱き合いこう言う。「一緒に、生きましょう」と。

FIN.

 

上記ストーリーの詳細や美しいイベントシーンについては

ぜひこちらの動画を御覧頂きたい。

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上記メインストーリーの他にも、ロウファ・ベリナス・ラウリィ・ジェイクリーナス・ジェイル / レティシア・カシェル・ロレンタ・エイミ・バドラック・ガノッサ・グレイ・リセリア・洵(ジュン)・那々美(ナナミ)・夢瑠(ユメル)・詩帆(シホ)・蘇芳(スオウ)といった多くのエインフェリア達を仲間にでき、それぞれの一言では語れない人生を垣間見ることができる。そして彼らもレナスと出会い、共に生きていくことを選択するのである。難易度によって仲間にできない者もいるので注意。

 

 

 

②システム編

 

②-1:バトルシステム

 戦闘は4人まで参加することができ、レナスは確定でその他に3人のエインフェリアを選択して戦う。各人にHPが設定されているが、レナスが倒されるとエインフェリアを実体化するためにレナスから供給されているディバイン・マテリアライズエナジーDME)が供給されなくなるため、数ターン後に消滅してゲームオーバーとなってします。戦闘はターン制で、アイテムや通常攻撃、魔法や必殺技を選んで戦う。装備する武器によって1ターンで攻撃できる回数が決まっており、ヒットが繋がるとゲージが貯まり、ゲージが貯まると各人に設定された必殺技を放つことができる。また、必殺技でもゲージが貯まるため、最大で4人連続で必殺技を打つことができ、後の方ほど威力が上がるため、どのような順番で必殺技を放つかが重要になってくる。必殺技を打った後や魔法を打った後はそれぞれに設定されたチャージターン(CT)を経過するまで再び使用することができないが、ダウン中の敵を攻撃することで落とす紫炎石を取ることでCTを短縮することができる。その他にも空中に浮いている敵を攻撃すると経験値をアップさせる魔晶石を落とすため、どのようなタイミングで攻撃しコンボを繋げるかが重要になっている。

 

②-2:スキルシステム

 キャラクターはレベルアップ時にキャパシティポイント(CP)を与えられ、これをスキルに割り振ることで能力がアップする。CPは戦闘スキル、技能スキル、人物特性に割り振ることができ、戦闘スキルはその名の通り戦闘時の攻撃力を上げたり、追加ヒットが付与されたりする。技能スキルも一部はステータスがアップするが、ステータスに影響しないスキルもある。ステータスに影響しない技能スキル人物特性は、エインフェリアとしての適性に影響し、詳しくは後述するが、神界に送ったときの評価や神界での神兵としての活躍に影響してくるため、神界転送する場合には気を付ける必要がある。特に終盤やクリア後の隠しダンジョンでは、Guts(残りHP以上の攻撃を食らった際に一定確率で生き残るスキル)などのスキルは必須に近く、スキルをいかにうまく活用するかがこのゲームの肝の一つとなっている。

 

②-3:エインフェリア転送システム

本作では、前述の通りレナスは神の戦力となる英雄の魂(エインフェリア)を選定するという使命を持っており、これをきっちりこなさないとフレイに粛正(殺害)されるバットエンド(Cエンディング)となってしまう。ストーリー中8つあるchapterそれぞれが終わると神界フェイズが始まり、フレイから神界の戦況や転送したエインフェリアの状況、レナスの評価を受ける。エインフェリアは誰でも良いというわけではなく、ある程度レベルを上げて、人物特性を修正した勇者適正値が高く、フレイが要求した能力(俊敏、泳ぎが得意など)を満たす必要がある。勇者適正値以外は低くても神界転送することはできるが、フレイからの評価が低かったり、神界で活躍できずに戦死してしまう。フレイからの評価が悪いとフレイからもらえるアーティファクト(強力な武器や防具、アイテム)やMP(マテリアライズポイント、武器や防具・回復アイテムなどを生成するのに必要)が少なくなり、ゲーム攻略の上で非常に不利になる。メイン戦力となるキャラは手元に残しつつある程度育成したキャラを手放して神界に送るという駆け引き・バランスがこのゲーム最大の特徴と言えるだろう。ちなみに一部のキャラクターは勇者適正値がどう頑張っても上がらず神界に転送できないようになっている。

 

②-4:アーティファクト献上システム

アーティファクトとは、神によって作られた武器や防具・アイテムなどで、これらの所有権は主神・オーディンにあるため、これらを見つけた場合にはオーディンに献上する必要がある。アーティファクトはダンジョンでボスを倒した後などに宝箱に入った状態で出現する。宝箱を開けるとアイテム命が表示され、オーディンに献上するか否かを選択することとなる。献上すると評価値が上がり、パクると下がる。評価値は前述の通り下がりすぎるとフレイに粛正されてしまうため、アーティファクトは献上した方がよいように思うがこれが実は落とし穴である。アーティファクトの中には非常に強力な武器や防具が混ざっておりそれらを使うことで戦力が跳ね上がったり、一見使えなさそうなアイテムであっても、ゲーム中にある場所で入手できる配列変換の宝珠・上級配列変換の宝珠というアイテムを使って配列変換すると、非常に有用なアイテムに変換できたりするのだ。また、アーティファクトはMP変換というコマンドにより大量のMPに変換することも可能で、前述のようにフレイから貰ったMPだけでは足りないという場合にも使い道がある。つまり、必要な物を見極めてパクり、いらないアーティファクトオーディンに献上するという見極めがこのゲームにおいては重要になってくるのである。

 

 

②-5:マルチエンディングシステム

本作はマルチエンディングを採用している。一つは前述の通り、エインフェリア選定の仕事を怠りフレイに粛正されるCエンディング(ゲームオーバー)。もう一つは、神として指示通りに仕事をこなし神界でのアース神族との戦争とその結膜が描かれるBエンディング。多くの方が一周目はBエンドを迎えることだろう。しかしこのエンドでは多くの伏線が回収されることなく、謎が残ったままとなる。そこでゲームタイトルを見てみるとそこにはShould Deny The Divine Destiny of The Destinies”(神の意思に反逆せよ)という文字が。実はこれこそが真のエンディングであるAエンディングへのヒントなのである。神の意志、つまりはオーディンの意思に背く。オーディンはレナスの記憶を封印し、エインフェリア選定に集中させようとしていた。つまり、レナスの記憶を戻すことがAエンディングに繋がる、というわけである。正直この一文から気付く方は少ないかもしれないが、レナスのステータスには「封印値」というものが設定されていることに気付く方は多いかもしれない。封印値は、レナスの前世の記憶に迫るイベントでは低下し、エインフェリアを神界に送ると上昇する。この値を下げまくったらどうなるかを試したプレイヤーは多くいるかもしれない。実は封印値が一定以下になることがAエンディング分岐に必要な要素であり、プレイヤーがAエンディングに辿り着くための指標となっているのだ。ただし前述の通り、エインフェリアを全く送らないとCエンドを迎えてしまうため、最低限のエインフェリアは送りつつも封印値を下げるという難しい調整が必要になる。また、フレイからの評価も下がるためもらえるMPも少なくなり、アイテムのやりくりも大変になる(これについては前述のMP変換により解決する)。なおイージーモードではルシオなどが仲間にならないためAエンディングを見ることはできないので注意が必要だ。

 

 

②-6:本編ダンジョン

本作には多種多様なダンジョンが登場する。登場するダンジョンの種類は 最初に登場する難易度によって変化し、ハードモードではより謎解き・アクション要素が強く攻略が難しいダンジョンが登場する。ただしハードモードでのみ出現するダンジョンでは後述するクリア後のエクストラダンジョンを楽しむために必要な「紅蓮の宝珠」というアイテムやより強力なアイテムを入手できるため、できればハードモードで挑んで貰いたい。

 

ダンジョンでは、レナスを操作して左右に走る・ジャンプ・スライディング・剣を振る・物を持ち上げて下ろすなどの操作ができ、プレイヤーはそれらを駆使して隠されたスイッチを探したり、迷路を脱出したりする。その中でも特に本作品で特徴的なのが晶石アクションだ。これはレナスが打ち出すことができる晶石という氷塊を使ったアクションで、晶石の上に乗ることでより高いところに届いたり、砕いた晶石を重ねてより高くしたり、粉々にした晶石が空中を舞っている間はそこに乗れる事を利用して一見行けなさそうな所に行ったり、レーザーを晶石で反射させてスイッチを押したりと用途は様々である。この晶石アクションをうまくできるか否かによってダンジョンの難易度は大きく変わってくるが、苦手な方はかなり辛いかもしれない。晶石アクション以外にも特定の位置に物を動かしたり、薬品でツタを枯らして道を切り開いたり、果ては過去と現在を行き来したりなど、様々な謎解きを楽しむことができる。ちなみに本作でダンジョンとして登場する街やボスとして登場する人物などはVPLよりも過去物の語りであるVP2と関連が深いものも多く、また、本編のストーリー中にもVP2と関連するシーンもあるのでVP2をプレイするとより楽しめるかもしれない(中々プレイできる環境にはないので以下の動画を御覧頂くだけでも楽しめる)。

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②-7:エクストラダンジョン

本作ではクリア後に「セラフィックゲート」というエクストラダンジョンを楽しむことができる。セラフィックゲートでは本編以上の強敵や謎解きを楽しめるほか、ハードモードでのみ入手できる「紅蓮の宝珠」を持っていれば、本編では仲間にできない「フレイ」「レザード」「ブラムス」を仲間にできる。ボスとしては中ボスにガブリエ・セレスタ、ラスボスにイセリア・クイーンというトライエース恒例の隠しボスが登場する。前者は割と弱いがイセリア・クイーンはかなりの強敵である。イセリアを倒すと最初はトライエンブレムという強力なアクセサリーを、2~9周目はスタッフからの言葉が書かれた謎の書物を、そして10周クリアすると「咎人の剣”神を斬獲せし者”」という破格の攻撃力を持つ(ただしダメージに大きくぶれがある)武器を入手することができる。また、セラフィックゲート内には「ハムスター」という敵が現れ、ハムスターそのもののかわいらしい外観でありながら、破壊的な攻撃力と攻撃が全く当たらない小ささでプレイヤーを苦戦させ、本作最強の敵とも言われている。余談だが、本作では「ディメンション・スリップ」というアイテムを装備することでザコ的とエンカウントしないという良心的な設定になっており、10周でもイライラすることなくプレイできる。

 

 

 

~終わりに~

1万字を超える長編でお届けした本記事だが、いかがだっただろうか。ゲーム未プレイの方には分かりにくく、プレイ済の方には物足りなかったかもしれないが、個人的な趣味の記事と言うことでご勘弁いただきたい。途中にリンクを張っているプレイ動画を御覧頂けば詳細はお分かりいただけると思う(本ブログの意味が薄くなるが、本作を知っていただけるなら本望)。少しでもこの日本RPG界屈指の名作に興味を持っていただければ幸いだ。

 

 

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ゲーム「チューチューロケット!」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、「チューチューロケット」である。本作品はセガ新入社員の研修の課題の中で誕生した作品だそうだ。1999年に発売されたゲームだが、現在までにアプリ版も含めて様々なメディアに移植が成されており、長年愛されているゲームである。

 

                                                        

 

 

 

 

 

 

 

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~ゲームの概要~

本ゲームは、チューチュー(ネズミ)とカプカプ(ネコ)が存在し、プレイヤーは特定の法則に沿って動くカプカプからチューチューを誘導してロケットまで逃がし、脱出させることを目的とするパズルゲームである。プレイヤーは始めに床に矢印を設置してチューチューやカプカプを誘導し、チューチューがカプカプに接触しないようにロケットまで誘導する。

 

 

 

 

 

 

 

チューチューロケットの魅力~

 

①パズルモード

本ゲーム最大の魅力はなんと言ってもパズルモードにある。本ゲームは通常、以下に多くのチューチューをロケットに入れられるかを競うゲームであり、カプカプにチューチューが食べられても減点されるだけであるが、パズルモードでは一匹もチューチューをカプカプに食べられることなくロケットに誘導しなければならないのだ。プレイヤーは最初にマップに配置されたチューチューやカプカプを見て動きを予想し、与えられた矢印を適切に使用してロケットへと導く。チューチューやカプカプの動きは一定の規則があり単純だが、ステージが複雑になると動きを最後まで読み切るのは非常に困難であり、実際に走らせて見ながら修正をしていくということになる。マップによっては矢印を一つも配置しない場合にのみ成功するというものなどひねくれたものもあり、多くの名作パズルゲームで見られるようにプレイし始めると止まらなくなる。

 

②可愛いデザイン

パズルゲームでは、パズルの多様さや難易度も重要だが、プレイヤーを飽きさせないデザインも重要だと私は思う。無機質なデザインだと作業感が出てしまうし、派手すぎるとパズルに集中できなくなってします。その点本作品は、シンプルながらかわいらしいデザインをしており、ネズミが猫から逃げてロケットに入るという動きも面白いため楽しみながらパズルに集中することができる。

 

 

 

 

 

~終わりに~

今回は箸休め的に短い記事とさせて頂いたが、本作品が長年多くの方に愛されている名作ゲームであることは間違いない。また、近年ではスマホアプリでパズルゲームがあふれているが、本作品はそれらの先駆けとなった作品の一つだと思う。ご興味のある方はぜひ一度プレイしてみていただきたい。

 

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ゲーム「STEINS;GATE ELITE」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、「STEINS;GATE ELITE」である。本作品は2009年に発売されたテキストアドベンチャーゲームSTEINS;GATE」を、2011年に2クールに渡って放送されたアニメの素材を再活用してリメイクされたものである。もしかするとゲームはしたことはないがアニメは見たことがあるという方も多いかもしれない。そういった方にぜひ本記事を読んでいただき、ゲームの方もプレイしてみていただきたい。

 

                                                    

 

 

 

 

 

 

 

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~あらすじ~

現代の日本、秋葉原。主人公の中二病の大学生・岡部倫太郎(自称・鳳凰院凶真)は、「未来ガジェット研究所」という小さなサークルで、ラボメンの仲間達と奇妙な発明品を作っていた。彼が偶然にもタイムマシンを発明し、世界の行方を左右する、まさに中二病的展開に巻き込まれていくとは、この時はまだ夢にも思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

STEINS;GATE ELITEの魅力~

 

①数多の伏線、緻密なプロット、終盤の収束

まずこのゲーム最大の魅力であるストーリーについて述べる。ストーリーのすばらしさに関しては、アニメを見た方で共感いただける方も多いだろう。物語前半は、正直良く意味が分からないことや、どうでも良いと思われるやり取りが続くが、実はそれらのほとんど全てが伏線になっており、終盤にかけてそれらが一気に回収され、収束していく様は見事としか言いようが無い。前半の他愛もないやり取りが全て伏線だったと気付いたとき、戻ってもう一度プレイしてみたくなってしまう。前半がだるくてゲームやアニメを止めてしまった方は、ぜひ頑張って最後まで堪能していただきたい。

 

 

②マルチエンディング

本作品は、テキストアドベンチャーゲームであり、作中に何度か登場する選択肢によって物語の展開・終末が異なってくる。全て正解の選択肢を選んだ末に訪れるトゥルーエンド以外に、5つのエンディングが用意されており、それぞれアニメでは描かれていない展開を見ることができるため、アニメファンは必見である。正直初見で攻略情報無しにトゥルーエンドに辿り着くのは至難の業なので、攻略サイトを見ながらぜひ全てのエンドを堪能してみていただきたい。

 

 

 ③アニメを見た方はより楽しめる!

本作品は、アニメで使用した素材を再利用してゲームをつくる「フルアニADV」と呼ばれる作り方をしており、アニメと同じ綺麗な絵をゲーム中で楽しむことができる。また、前述のトゥルーエンド以外のエンディング用に新規にアニメが追加されており、アニメファンはより楽しめる設定になっている。また、エンディングに関連する選択肢以外にも、アニメでは見られないメールの内容を見られたり、アニメでは描かれていないシーンが描かれていたりなど、アニメファン必見のシーンが目白押しだ。アニメは見たけどテキストアドベンチャーはやったことがない・苦手だという方も、アニメ感覚で気軽に楽しんでいただける。

 

 

④難解な専門用語

本作品ではタイムマシンが登場するだけあって、様々な物理学用語が登場する。それらは別に理解できなくとも問題は無いのだが、それらをネットで調べて理解することで、より物語を楽しむことができると思う。中二病の主人公ではないが、こういう専門用語が出てきたら調べずにはいられない方も多くいらっしゃるはず。そういった方がまとめたサイトを見ていただくとより分かりやすいかもしれない。

 

 

 

~終わりに~

STEINS;GATEは、ゲームが原作だがアニメの法外明度が高いゲームとなっており、ゲーム見プレイの方も多くいると思う。アクションやRPGとは異なるテキストアドベンチャーというジャンルと言うこともあって、中々手を出せずにいる方も多くいると思うが、本記事を読んで少しでも興味が湧いたらぜひプレイしてみていただきたい。

steinsgate.jp

 

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ゲーム「アストロノーカ」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、1998年にPS用に発売されたゲーム「アストロノーカ」である。「スターオーシャン セカンドストーリー」に体験版が附属していたためそちらをプレイされた方もいるかもしれない。現在はゲームアーカイブスで配信されておりPS3などでプレイ可能だ。

 

                                            

 

 

 

 

 

 アストロノーカ

~あらすじ~

ある小惑星に、ヘルパーロボット「ピート君」と共に降り立った主人公。荒れ果てた土地で野菜を作り、宇宙一の農家を目指す!害獣バブーの妨害に屈せず今日も野菜作りに勤しむ。

 

 

 

 

 

 

~アストロノーカの魅力~

 

①交配で新種の野菜を産み出す!

このゲームでは、合計36種類の野菜を作れるが、その多くは最初から作れるわけではない。購入した種や収穫した種を掛け合わせランダムで野菜を作るのだ。もちろん失敗することもあり、新種の野菜を作り出すのは容易ではない。また、各野菜には「大きさ」などの属性値があり、売値やコンクールに出品した際の評価に影響する。属性値は交配により片親の属性を引き継ぐ場合があったり、特殊な種を使うことで一代限りで属性値を上げることもできる(雑種強勢を意味していると思われる)。欲しい野菜に欲しい属性をつけるのは中々大変で、コンクールのためには交配にかなり力を入れる必要がある。

 

②害獣バブーの進化!

ゲームが進むと、害獣バブーが現れ畑の野菜を食べるようになる。バブーは全16種類おり、それぞれが異なる特徴(能力)を持っている。プレイヤーは事前にどの種類のバブーが来るか知ることができ、畑の前にとりもちや落とし穴、ジャンプ台など様々な購入したトラップを電力消費内におさまるように選んで仕掛け、バブーが諦めるまで妨害するか捕獲する。これに失敗すると畑の野菜が食い荒らされて傷物になったり、枯れてしまったりする。撃退に成功すると芸術点が採点され、それに応じて野菜の育ちが変わる。また、捕獲したバブーは1体だけ観賞用に置いておくことができる。そして最も重要なのは、バブーが罠を学習し進化すると言うことだ(当時としては非常に画期的なシステムだ)。同じ罠を使いすぎるとバブーが学習し、ジャンプ力が上がって罠を回避したり、脱出が早くなったりする。そのため、どんなに優れた仕掛けでも頻繁に種類を変える必要があり、頭を悩まされる。またバブーは現れない日もあれば複数体現れる場合もあり、コンクール用の野菜育成中は現れないよう祈ることになる。

 

 

 ③個性豊かなライバル達

コンクールがあると言ったことからも推察されるように、この小惑星には主人公の他にも野菜を作っている住人がいる。特定の野菜に異常な拘りを見せる人や、大きさに拘りを持っている人、主人公のライバルとなる天才など、個性豊かなライバル達と競い、成長していく物語となっている。ライバル以外にも、主人公にアドバイスをくれるものやファンレターをくれるファン、種やトラップを売ってくれる商人など、多くの人の助けを借りながら、究極の野菜「アストロキング」を作るために農業に励むこととなる。

 

 

 

 

~終わりに~

こちらのゲームは、かなり昔のゲームながら高度なAIが搭載されており非常にやり応えがあるゲームである。ゲームアーカイブスで配信されており、この記事を読んだ方も比較的プレイしやすい環境にあると思われるので、興味がある方はぜひプレイしてみていただきたい。

 

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ゲーム「ラジアータストーリーズ(RADIATA STORIES)」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、ヴァルキリープロファイルスターオーシャンに並ぶトライエースが産んだ名作ゲーム「ラジアータストーリーズである。2005年にPS2で発売されたこのゲームは、現在までリメイク等の作成は発表されていないため、現在の環境ではプレイしにくいのだが、紹介しないのは惜しい名作なのでご紹介していきたいと思う。

 

                                        

 

 

 

 

 

 ラジアータ ストーリーズ

~あらすじ~

人間と妖精が共存する世界。人間の王国『ラジアータ』。騎士を目指す少年ジャックと、騎士となることを義務付けられた少女リドリーはそこで出会う。王国騎士団となった彼らを待ち受けるのは人間と妖精の戦争。破滅へと向かう世界。少年と少女はまだ、自らの運命を知らない…

(スクエアエニックス公式サイトより引用 ラジアータ ストーリーズ | SQUARE ENIX

 

 

 

 

 

 

ラジアータストーリーズの魅力~

 

①数え切れない数の仲間達!

このゲームでは、メインで登場する主人公・ジャック、ヒロイン・リドリー、団長・ガンツの他に総勢150以上のキャラクターを仲間にすることができる。その多くはストーリーに一切絡むことのないキャラクターなのだが、それぞれに特徴的なスキルや技が設定されている。強いキャラほど仲間にする条件がキツイ傾向にあり、最強クラスのキャラとなると、他のキャラをコンプリートしないと仲間にできない者もいる。数え切れない選択肢の中から自分だけのパーティーを作り、物語を進めていくのはこのゲームの醍醐味である。

 

②究極の選択!人間を助けるか、妖精を助けるか。

ゲーム中盤、主人公・ジャックは、人間と共に妖精を倒すか、妖精側に付き人間と戦うかという究極の選択を迫られる。この選択により、これまで仲間だった人間達、もしくは妖精たちと殺し合わなければならなくなり、ジャックは葛藤を抱えながらも自分の選んだ道を突き進み、衝撃のラストへと繋がっていくのである。どちらを選んでもオールハッピーエンドは訪れないこの選択故に、俗に「鬱ゲー」と言われており、初めてプレイする多くのプレイヤーが頭を抱えることになるだろう。どちらを選ぶかによってその後のシナリオが全く異なってくるため、ぜひ両方プレイしていただきたい。ちなみに、人間編を選ぶか妖精編を選ぶかによって仲間にできるキャラクターも大きく制限されるため、慎重に選択する必要がある。

 

③タイムスケジュールシステム

このゲームでは、ゲーム内時間が設定されており、各キャラクターが時間に沿って毎日を過ごしている。今でこそそんなに珍しくないこのシステムだが、当時は割と珍しく新鮮に感じたことを覚えている。ストーリーを進めるために特定の時間に行動を起こす必要があったり、夜にしか表れないキャラクターは夜行動しないと仲間にすることはできなかったりと、時間を気にしながらプレイする必要がある。

 

トライエース恒例!ネタ要素・クリア後のお楽しみ

ラジアータストーリーズは、鬱ゲーと呼ばれるほどラストは救いのない暗い物語となっているのだが、物語前半は全くそのようなことを感じさせないようにギャグ満載のストーリーになっている(だからこそ後半の展開が衝撃的となる)。また、ネタ要素として私がお気に入りだったのが、特定のタイミングである相手実をゲットすることで、主人公の容姿がスターオーシャン3の主人公・フェイトの姿になり、以降戦闘中だろうがイベント中だろうがフェイトの姿で物語が進むという悪ふざけ以外の何物でも無いネタである。そしてクリア後は、トライエース恒例のボリューム満点のエクストラダンジョンが待っており、難解な謎解きや本編ガン無視のネタ、トライエース他作品の登場キャラクターを仲間にしたりなど、本編顔負けのやりこみ要素を用意してくれている。本編だけで満足されずぜひクリア後のお楽しみもお楽しみ頂きたい。

 

 

 

 

 

~終わりに~

非常に完成度・満足度が高かったラジアータストーリーズであるが、後半の鬱展開が賛否両論を呼び、好きな人はすごく好きだが多くの人に受ける作品とはならなかった。そのためもあってか現在までにリメイクの製作は決まっておらず、中々環境的にプレイできないと思われるが、名作なのは間違いないためもしできる方がいればぜひプレイしてみていただきたい。一応マンガ化もされているため、どうしても気になる方は下記リンクより読んで見ると良いかもしれない(ゲームとはまた違ったよさがある)。

 

 

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ラジアータストーリーズ マンガ