おもしろいゲーム・推理小説紹介

おもしろいゲーム・推理小説紹介

推理小説、マンガ、ゲームなどの解説・感想

◯初めての方にお勧めの記事!

米澤穂信著「折れた竜骨」感想(ネタバレ含む)

~はじめに~

 本日ご紹介するのは、米澤穂信著「折れた竜骨」である。米澤氏の代表作の一つであり、様々なところでおすすめされているため、もしかしたら読んだことがある方もいらっしゃるかもしれない。注目作が多い米澤氏作品の中からこの作品をぜひ読んでいただきたい理由を、この記事を読んで知っていただければありがたい。

 

以下、ネタバレを含みます。

未読の方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          

 

 

 

 

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~あらすじ~

舞台は12世紀末、ヨーロッパのある島。旅の騎士ファルクは、領主の娘アミーナと出会う。そして、領主であるアミーナの父が暗黒騎士に命を狙われていると告げる。この世界では魔術が存在しており、暗黒騎士も魔術を使って命を狙ってくる。島内というクローズドサークルに潜む犯人を、魔術という非現実的な技術が存在するこの世界で見つけることはできるのだろうか。

 

 

 

~おもしろいポイント~

 

①ファンタジー×推理小説

この小説の世界は、いわゆる剣と魔法の世界である。基本的には魔術が使えない人が弓や剣を使って戦う中世ヨーロッパの世界観であるが、一部の人は魔術を使うことができるのである。魔術が使えたら何だってできるのだからトリックだってなんでもあり、推理なんて不可能と思ってしまうが、そこは名手米澤氏。魔術にも明確なルール・制限を設け、その制限の中で誰に犯行が可能であったかをロジカルに推理していくというのである。現実にあり得ない設定を厳格なルールと共に取り入れ、その中で論理的な推理を展開するという点では西澤保彦氏が書くような「SF推理小説」に似ていると言える。剣と魔法の世界で殺人犯を推理するという状況は、ゲーム好きにはちょっとシュールだが、一般的な推理小説を読んできた読者には新鮮であり、一般的な推理小説に飽きた方には特にお勧めだ。

 

②怪しすぎる設定の登場人物

話が進んでいくと、明らかに怪しい設定の登場人物が登場する。それが、呪われたデーン人「トーステン」だ。彼は、昔の闘いでの捕虜として城に捕らわれているのだが、何と首を切らない限り死なないのだ!また、切っても血は流れず、眠ることもしないというトンデモ設定。絶対怪しい。誰もがそう思う彼だが、暗黒騎士は相手の血を使って人を操り殺人をすると言うことが分かっており、血を流すことのない彼は犯人ではない。では、彼の存在がどのように物語に関与してくるのか。デーン人の死なないという設定が推理に重要な要素であると言うことは誰もが感づくのだが、どう関わっているのか分からせないようにしているところがうまい。また、彼意外にも重要な要素はたくさんあるため、トンデモ設定の彼に気を取られすぎないようにしていただきたい。

 

③みんな大好きどんでん返し!

推理小説の醍醐味であるどんでん返し。これを楽しみに推理小説を読んでおられる方も多いだろう(かく言う私もそうだ)。逆に筆者は最後で読者の予想と全く違う答えを提示するために、小説の1ページ目から手ぐすねを引いて待っている。この小説も、最初から最後までがミスリードとなっており、素直に読んでいる方はそんなアリ?!となってしまうことだろう。どんでん返しの手法としては割と昔からよく使われる手法ではあるが、剣と魔法の世界というトンデモ設定や、米澤氏の巧みな文章により、違和感なくラストまで隠されていると感じた。読み終わった後、きっともう一度読み直してみたくなることだろう。

 

 

 

 

 

 

~最後に~

米澤氏の著書には名作が多いため、どれから手をつければ良いか分からない方も多いかもしれない。この本は、設定こそ他の作品と一線を画するが、間違いなく米澤氏特有の文章力や伏線のうまさが見て取れる作品である。推理小説が苦手な方にも非常に読みやすい作品になっているため、初心者の方にもぜひ読んでいただきたい作品だ。まずは、下記リンクからこの作品のより詳しい概要を見て、興味が持てたならば読んでみるのも良いだろう。

 

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ゲーム「ラジアータストーリーズ(RADIATA STORIES)」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、ヴァルキリープロファイルスターオーシャンに並ぶトライエースが産んだ名作ゲーム「ラジアータストーリーズである。2005年にPS2で発売されたこのゲームは、現在までリメイク等の作成は発表されていないため、現在の環境ではプレイしにくいのだが、紹介しないのは惜しい名作なのでご紹介していきたいと思う。

 

                                        

 

 

 

 

 

 ラジアータ ストーリーズ

~あらすじ~

人間と妖精が共存する世界。人間の王国『ラジアータ』。騎士を目指す少年ジャックと、騎士となることを義務付けられた少女リドリーはそこで出会う。王国騎士団となった彼らを待ち受けるのは人間と妖精の戦争。破滅へと向かう世界。少年と少女はまだ、自らの運命を知らない…

(スクエアエニックス公式サイトより引用 ラジアータ ストーリーズ | SQUARE ENIX

 

 

 

 

 

 

ラジアータストーリーズの魅力~

 

①数え切れない数の仲間達!

このゲームでは、メインで登場する主人公・ジャック、ヒロイン・リドリー、団長・ガンツの他に総勢150以上のキャラクターを仲間にすることができる。その多くはストーリーに一切絡むことのないキャラクターなのだが、それぞれに特徴的なスキルや技が設定されている。強いキャラほど仲間にする条件がキツイ傾向にあり、最強クラスのキャラとなると、他のキャラをコンプリートしないと仲間にできない者もいる。数え切れない選択肢の中から自分だけのパーティーを作り、物語を進めていくのはこのゲームの醍醐味である。

 

②究極の選択!人間を助けるか、妖精を助けるか。

ゲーム中盤、主人公・ジャックは、人間と共に妖精を倒すか、妖精側に付き人間と戦うかという究極の選択を迫られる。この選択により、これまで仲間だった人間達、もしくは妖精たちと殺し合わなければならなくなり、ジャックは葛藤を抱えながらも自分の選んだ道を突き進み、衝撃のラストへと繋がっていくのである。どちらを選んでもオールハッピーエンドは訪れないこの選択故に、俗に「鬱ゲー」と言われており、初めてプレイする多くのプレイヤーが頭を抱えることになるだろう。どちらを選ぶかによってその後のシナリオが全く異なってくるため、ぜひ両方プレイしていただきたい。ちなみに、人間編を選ぶか妖精編を選ぶかによって仲間にできるキャラクターも大きく制限されるため、慎重に選択する必要がある。

 

③タイムスケジュールシステム

このゲームでは、ゲーム内時間が設定されており、各キャラクターが時間に沿って毎日を過ごしている。今でこそそんなに珍しくないこのシステムだが、当時は割と珍しく新鮮に感じたことを覚えている。ストーリーを進めるために特定の時間に行動を起こす必要があったり、夜にしか表れないキャラクターは夜行動しないと仲間にすることはできなかったりと、時間を気にしながらプレイする必要がある。

 

トライエース恒例!ネタ要素・クリア後のお楽しみ

ラジアータストーリーズは、鬱ゲーと呼ばれるほどラストは救いのない暗い物語となっているのだが、物語前半は全くそのようなことを感じさせないようにギャグ満載のストーリーになっている(だからこそ後半の展開が衝撃的となる)。また、ネタ要素として私がお気に入りだったのが、特定のタイミングである相手実をゲットすることで、主人公の容姿がスターオーシャン3の主人公・フェイトの姿になり、以降戦闘中だろうがイベント中だろうがフェイトの姿で物語が進むという悪ふざけ以外の何物でも無いネタである。そしてクリア後は、トライエース恒例のボリューム満点のエクストラダンジョンが待っており、難解な謎解きや本編ガン無視のネタ、トライエース他作品の登場キャラクターを仲間にしたりなど、本編顔負けのやりこみ要素を用意してくれている。本編だけで満足されずぜひクリア後のお楽しみもお楽しみ頂きたい。

 

 

 

 

 

~終わりに~

非常に完成度・満足度が高かったラジアータストーリーズであるが、後半の鬱展開が賛否両論を呼び、好きな人はすごく好きだが多くの人に受ける作品とはならなかった。そのためもあってか現在までにリメイクの製作は決まっておらず、中々環境的にプレイできないと思われるが、名作なのは間違いないためもしできる方がいればぜひプレイしてみていただきたい。一応マンガ化もされているため、どうしても気になる方は下記リンクより読んで見ると良いかもしれない(ゲームとはまた違ったよさがある)。

 

 

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ラジアータストーリーズ マンガ

 

 

 

 

 

ジェイムズ・P・ホーガン著「星を継ぐもの」感想(ネタバレ含む)

~はじめに~

 本日ご紹介するのは、ジェイムズ・P・ホーガン著「星を継ぐもの(原題"Inherit the Stars"」である。ホーガン氏のデビュー作であり、代表作であるこちらは、日本でも高い評価を受け大ヒット。1977年という割と昔に書かれたにもかかわらず、今でも非常に読みやすく、非常に精巧な文章となっている。存知の方も多いかもしれないが、SF推理小説好きとしては外せないので、ご紹介していきたいと思う。

 

以下、ネタバレを含みます。

未読の方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              

 

 

 

 

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~あらすじ~

ある日、月面で人間の死体のようなものが見つかった。しかし、様々な分野のエキスパート達が調査を進めていくにつれ、あり得ない事実が次々と判明する。最も驚くべきことは、この死体が約5万年も前に死亡していたと言うことだ!科学的な調査に誤りは無い。しかし一般常識からは明らかに矛盾する。この状況を説明すべく死体の遺品や周囲を調査していくが、謎は深まるばかり。この状況を説明できる仮説は存在するのだろうか・・・。

 

 

~おもしろいポイント~

 

①SF推理小説

この小説の最たる特徴は、SF小説であるという点だ。しかし、想像を絶するほど科学が発達した未来というわけではない。少なくとも月面に有人調査隊を送り込み、科学的な捜査ができるレベルである。そのため、SF小説でありながら、現代と同レベルの科学調査結果を基に読者は推理していくこととなるため、SFが得意でない読者にも非常に読みやすいものとなっている。1977年に発表されたとは思えないほど科学調査が本格的であり、今読んでも全く色褪せた感がないところがこの作品の素晴らしいところだ。

 

②スケールの大きさ

本作のもう一つの魅力は、そのスケールの大きさである。せっかく舞台が月であるのにこれを地球スケールに収めておく手はない。物語が進むにつれて推理のスケールはどんどん大きくなり、宇宙規模での推理が進んでいく。ただし、知識が無い方でも理解が可能なレベルでの話であり、話しについて行けないことは全くない。最後に辿り着いた真相(事実かどうか証明はできないが矛盾のない仮説)は途方もなくスケールの大きな話となるが、そこに辿り着くまでに登場人物の人々が様々な仮説を打ち出して想像を膨らませていくところにこの小説の魅力がある。

 

③人類のルーツに迫る!

物語が進んでいくと、専門家の間でも主張が分かれてくる。すなわち、月で見つかった死体が、地球の人類とどのような関係にあるのかである。調査の結果、月で見つかった死体は形態的には地球上の人類と何ら変わるところはないという事が明らかになった。しかし、5万年も前に地球の人類が月に行く技術を持っていたともとうてい思えない。では月でも生命が生じて進化した?大気がない月では不可能だろう。宇宙人?ではなぜ地球人と全く同じ形態を取っているのか。別々の星で進化した生物が偶然同じ形態を取ったのか。議論を重ねて行くにつれ、物語は我々人類のルーツに迫ることになる。

 

 

 

 

 

 

~最後に~

ご紹介してきたように本作品は、推理小説好きはもちろん、SF好き・歴史好き・科学好きなど様々な分野の人たちにとってとても魅力的な作品となっている。原題ハードSFの代表作であるこの傑作長編をぜひ一度お手にとって頂きたい。

 

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ゲーム「鋼の錬金術師1~3」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、大人気マンガ「鋼の錬金術師」のゲームである。鋼の錬金術師関連では数多くのタイトルが発売されているが、本記事では、私が熱中していた1「翔べない天使」、2「赤きエリクシルの悪魔」、3「神を継ぐ少女」の3作品について語っていきたいと思う。

 

            

 

 

 

 

 

 

 

鋼の錬金術師1~3発売年表

 

鋼の錬金術師 翔べない天使PS2, 2003)

鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔PS2, 2004)

鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女PS2, 2005)

 

 

 

 

 

 

 

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鋼の錬金術師-翔べない天使-

鋼の錬金術師の記念すべきゲーム1作目である。原作で言うと、リゼンブールで機械鎧を調整後、セントラルに向かう途中に挿入される話となる。原作マンガに引けを取らない素晴らしいストーリーだけでなく、高いアクション性(バトルシステム)が特徴となっている。プレーヤーは基本的にエドを操作し、拳による肉弾戦周囲の物を錬成して作った武器(剣・槍など)や兵器(大砲)などを使って敵を攻撃する。時にはAIが操作するアルに指示を出して協力プレイすることもある。マンガ原作のゲームとあって、戦闘システムにはそれほど期待していなかったが、適度な難易度と高い自由性があり非常にゲームとして完成していると感じたことを覚えている。ストーリーは悪を倒す王道的な流れながらも、ハガレン特有のダークな(全てがハッピーではない)部分もあり、ありふれたRPGとはひと味違うハガレンらしい仕上がりとなっている。

 

 

 

 

 

 

 

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鋼の錬金術師-赤きエリクシルの悪魔-

前作に続く2作品目である。前作とは異なりサイドストーリーではなく、原作のリオール編から異なる方向へと展開するオリジナルストーリーである。前作と同様にダークで奥深いストーリー完成度の高い戦闘システムとなっている。要所要所に挿入されるムービーの完成度も高く、原作ファンであればぜひ一度見ておきたい。本作では、ストーリー中で強敵「スカー」と対戦することができ、負けイベではありますが勝つこともでき、何度も繰り返し挑戦した記憶がある。また、猫好きのアルがネコを収集するというやりこみ要素も本作から始まり、ストーリーを進めながら猫を探すのも中々大変だが楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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鋼の錬金術師-神を継ぐ少女-

前作に続く3作目である。シリーズの中で私が最もやりこんだ作品だ。本作は、ホムンクルスとの攻防後、マスタング大佐からの情報を基にある町を訪れたというサイドストーリーになっている。1・2と同様に高いストーリー性・バトルシステムは言わずもがな。これまではエドをメインにコントロールすることが多かったが、本作ではあるに切り替えて操作することが可能で、同じ材料でもエドかアルかによって錬成物が変わったり、別々の道をそれぞれの得意分野(アルは炎が効かないエド狭いところを通れるなど)を活かして進み攻略していったりする必要があり、これまでの作品より難易度・自由度共に高くなっている。梯子から梯子に飛び移ったり、動く的を狙ったり、これまでの2作品も難易度は中々高めだったが、本作はRPGが苦手な方は中々苦労するほどの難易度で、本格RPGが好きな方でも十分楽しめるものとなっている。前作同様、アルによるネココレクションも存在するため猫探しにも奔走することになり、猫探しにかなりの時間を費やすこととなる(だが楽しい)。やりこみ要素としては他にも、特殊なアイテムを使うことでレベルが上がらなくなり、レベル1の状態でクリアすることで特別報酬が得られたり、チート的な能力が得られる隠しアイテムがあったり、超強敵であるブラットレイ大総統と戦闘することができる。そして何より、ホーム画面から「タッグバトル」を選択することで、1P+2Pで様々なバトル(ステージや搭乗する敵が違う)を楽しむことができる。特に最高難易度の「ハガレンタッグマッチ」では、本作に登場する様々な敵とバトルすることができ、最後に対戦するエド+アルは、あり得ないほどの強敵だが、倒すと特別なアイテムを入手することができるため、数え切れないほど挑戦したものだ。最後に、本作もう一つの魅力は主題歌「悲しみのキズ」。大総統戦の時のBGMにもなっており、聞くだけで今でも当時のバトルを思い出す。素晴らしい曲なので、ゲームに興味が無い方もぜひ聴いてみてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

~終わりに~

まだまだ語り切れていない(忘れてしまっている)部分も多々あるが、1~3を通して全て素晴らしいストーリー・バトルシステムとなっている事は間違いない。原作ファンはもちろん、RPGファンにもぜひプレイしていただきたい作品である。残念なことに移植はされていないため、PS2でしかプレイできないが可能な方はぜひ。無理な方はノベルズが出ているので、そちらでストーリーのすばらしさだけでもぜひ知っていただきたい。

 

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別テーマブログ開設のお知らせ

この度、このブログとは別テーマのブログを始めました。

 

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新しいブログでは、自然の中で育った私が実際に触れたことのある野草について、その魅力や特徴をお伝えしていきたいと考えています。

ご興味がありましたら、下記URLよりぜひ遊びに来て下さい!

このブログでは引き続き好きなゲームや推理小説について語っていきますので、そちらもお楽しみに!

 

ashito2.hatenadiary.com

(4・5周目)ゲーム「NieR Replicant ver.1.22474487139...」を語る(ネタバレ注意)

~はじめに~

本日は、「NieR Replicant ver.1.22474487139...」4・5周目をクリアしたため、概要と感想を述べようと思う。

 

            

 

 

 

 

 

 

 

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◯4周目(Dエンディング)

3周目の最後の選択肢で、自分の全てと引き替えにカイネを助けることを選択。その結果、全てのセーブデータが失われ、周りの人からも自分の存在した記憶が消える代わりにカイネが生き返った。生き返ったカイネは何か忘れているような気はしながらも思い出せず、カイネに助けられたと思っているヨナと日常に戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

◯5周目(Eエンディング)

Dエンディングでセーブデータが全て消えたため、New Gameを選択。物語を進めていくと、崖の村でのボスとの闘いで倒れたカイネを、主人公が呼び起こすシーンに。1周目では少年期の主人公に呼び起こされて生きていくことを決意するのだが、今回はそのまま意識が飲まれ、Dエンディング後の世界へ。今見ていたことは夢だと思っているが涙を流している。カイネをコントロールして魔物を殺していると、神話の森で何かが起こっている模様。行ってみると最深部の樹からロボットが出現し村人は全滅していた。樹の穴には行っていくと、そこは膨大な記憶が保存されているサーバーだった。サーバーはレプリカント体を管理し、カイネのことも知っていた。カイネを試し、殺そうとするが、カイネは駆け付けたエミールや黒の書の力を借りて敵を倒し、主人公の記憶を思い出すことに成功。同時に、消えたセーブデータも復活。主人公は生き返り、カイネ達は再び一緒に生きていくことを決意する。

このエンドはリメイク版で新たに追加された(設定としてはあったがゲーム内ではなかった)新たなエンディングとのこと。セーブデータも戻り、ハッピーエンドとなるが、個人的にはDエンドまでで完結した方が、鬱ゲーとしては締まりが良かった気もする。

 

 

 

 

 

 

~最後に~

最後までプレイした感想として、1つのゲームとしては非常に満足度の高いゲームと言えた。ストーリーや戦闘システム、ビジュアルなど多くの面で近年まれに見る良作ゲームだったと思う。わがままを言えば、主人公以外(Eエンドではカイネを操作できるが)もプレイアブル化されていれば多様性が増しもっと良かったようにも思う。

今後は、まだクリアしていないクエストやトロフィーを取ってみたいと思う。アプリゲームが主流となりつつある中で、コンシューマー型ゲームを発売し続けて下さっているゲーム開発に携わる方々に感謝申し上げたい。

 

 

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~はじめに~

本日は、「NieR Replicant ver.1.22474487139...」の3周目をクリアしたため、概要と感想を述べようと思う。

 

                

 

 

 

 

 

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◯1周目・2周目との変更点

今回は、途中は大きな変更点はなく、ポポル・デポルの会話が数回新たに聴けるようになる程度だった。最後に、マモノが暴走したカイネとの戦闘となり、勝利すると、カイネにとどめを刺すか、自分の存在と引き替えに助けるか選択を迫られた。今回はとどめを刺した結果、Cエンディングとなった。もう一方の選択をすることでDエンディングとなる。

 

 

 

 

~最後に~

Cエンディングの条件である武器収集100%は、武器屋で武器を買うとすぐ達成できたため、3周目はスピードクリアとなった。4周目もおそらくすぐクリアできるだろう。エンディングは、DとEが残っており、後2周ほどすることになるだろう。1つのゲームで何回も楽しめて、満足感は高いゲームと言える。クリアでき次第、このブログで感想を述べたいと思う。

 

 

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~はじめに~

本日は、「NieR Replicant ver.1.22474487139...」の2周目をクリアしたため、概要と感想を述べようと思う。

 

 

            

 

 

 

 

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①1周目との変更点

まず物語は、カイネの石化を解く場面から再開する。従って、青年期からの再開となり、少年期の頃のクエストなどはクリアできなくなるため注意が必要。そして、1周目ではなかった、カイネの過去の記憶(なぜ魔物憑きとなったのか)を見ることができる。最も大きな変更点は、これまで敵だったマモノ達の言葉を字幕で読むことができるようになる点だ。これまでマモノはただの倒すべき敵であったが、1周目の最後でマモノとは過去に滅びかけた人間達が生き残るために取った手段「ゲシュタルト計画」によって生まれた人間の魂のなれの果て「ゲシュタルト」であり、主人公達こそがゲシュタルト体の器として作られた「レプリカント」であることが明らかになっていた。その背景と共に、魔物達の会話を聞くと、何が正しいのか、どちらが正義なのかを問われることとなる。主人公はひたすらマモノは悪であり殺すべきだとしているが、マモノの中には、争いを好まず害をなさない者や、人間との共存を望む者もおり、それらの悲痛な声を聞きながら、プレイヤーは魔物を殺していくこことなる。

 

 

 

 

②エンディング

2周目のエンディングはBエンディング(1周目はAエンディング)とされ、セーブデータに記録される。1周目では主人公と妹ヨナが並んでいる風景だったが、Bエンディングでは、最後に倒した魔王とその妹ヨナが並んでいる風景へと変わった。そして、死んだと思われていたエミールも、頭だけとなって生きていることも示されていた。

 

 

 

 

③3周目に向けて

3周目では、武器を全て集めることでCエンディングへの選択肢が出るようになることが、Bエンディングの後明示された。2周目でクエストはほぼクリアしたため、クエスト報酬の武器はコンプしており、武器屋の武器を全て購入すればコンプできると思われる。

 

 

 

④その他

2周目ではエクストラダンジョンである「15 Nightmares」が解放され、強敵と戦うことができる。レベルは30あれば十分だろう。武器強化に必要な「鷲の卵」などレアアイテムを入手することができるため、ぜひチャレンジするべきだ。クリアすると、コスチュームなども入手することができる。

 

 

 

 

~最後に~

2周目は、レベルや武器が強いこともあり、戦闘はサクサクであった。個人的には2周目は難易度を上げてプレイするのもいいのではと思う。3周目以降はダレてくるところもあるため、ノーマルでプレイしようと思う。クリアでき次第、このブログを更新する予定。

 

 

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~はじめに~

本日ご紹介するのは、前回予告していた「NieR Replicant ver.1.22474487139...」。2010年に発売された第一作「NieR Replicant」のバージョンアップ作品である。2021年4月22日に発売されたこの作品を、とりあえず難易度Normalで1周目クリアしたため、その感想を述べようと思う。

 

 

            

 

 

 

 

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①ストーリーに関して

1周目だけの感想としては、良い意味で王道RPGといった感じだ。スクエアエニックスRPGを多くプレイしている方なら何の抵抗もなく進められるストーリーと言えるだろう。ただし、1周目をクリアした段階では、まだまだ回収されていない伏線も多く見られ、これらは2周目、3周目とクリアしていくことで明らかになっていくのであろう。

 

 

 

 

②戦闘に関して

武器として、大剣、槍、剣?を選択可能。筆者は前半は剣、後半は槍を多用していた。戦闘自体の難易度は高く無く、RPGを遊んできた方なら特段レベル上げなどしなくとも、ストーリー中の敵は問題なく倒せるレベル。武器攻撃と魔法を組み合わせて戦うスタイルは慣れていないと難しいかもしれない。このスタイルは「ウィッチャー3」と近いように筆者は感じた。武器の扱い方や体術面はPS2で発売されていた「鋼の錬金術師 翔べない天使」などと近く、魔法感覚は「FINAL FANTASY XIII」などのATBバトルシステムに近い物を感じた。総じて、歴代のスクエニの名作RPGの良いところが組み合わさった、秀逸なバトルシステムだったと言える。

 

 

 

 

③サブストーリー、やりこみについて

今回はクリアを優先してプレイしたためあまりサブの部分はやり込めていないが、「エス」がサブ要素の1つとしてあげられる。クエストは町の住民などから受ける依頼などで、クリアすることでお金やアイテムを入手することができる。ストーリーに関わるメインクエストと別に、本編とは関係ない多数のサブクエストが用意されており、難しい物から簡単な物まで多種多様である。このシステムは、別記事で紹介している「スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-」とほぼ同じである。クエスト報酬は様々だが、筆者がクリアしたクエスト報酬を見た感じ、その報酬は多い方で、お金面だけで言うと、いくつかクエストをクリアするだけで本編クリアには全く支障が無い程度のお金を稼ぐことができた。それぞれのクエストにそれぞれのストーリーがあっておもしろいため、時間に余裕がある方はぜひサブクエストもクリアしていただきたい。

 

 

 

 

 

④その他の要素

・本作ではメインキャラはもちろん、村人全てがフルボイスとなっており、素晴らしいクオリティだと感じた。

を使って作物や花を育てることができるが、成長が遅く(成長を早くするアイテムを使っても)、普通にメインストーリーを進めているだけではあまり楽しめなかった。

・フィールド移動や街間の移動は、はじめは走っての移動で大変だが、サブクエストをクリアしたり、ストーリーを進めると、猪に乗ったりや水路を船で移動することがで き、ゲーム後半で移動が大変にならないように工夫されていた(スターオーシャン セカンドストーリーなどのバーニィーに近い感覚だ)。

 

 

 

 

 

~最後に~

1周目をクリアした段階で、新たに「カイネ編」をプレイすることが可能になったり、本バージョンアップ版の特典である「ニーアオートマタ」のコスチューム・BGMなどが設定できるようになった。おそらく2周目では、1周目では明らかになっていなかった部分が明らかになると思われ、楽しみだ。1周目で、メインストーリー中に数回選択肢が表れ、1周目は王道と思われる選択肢を選んだが、他の選択肢を選んだ場合どうなるのか、新たに表れる選択肢があるかなども楽しみなところである。2周目は1周目ほど急いでクリアするつもりはないため、更新は先になると思われるが、クリアでき次第、ブログでご紹介する。

 

 

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ashito.hatenadiary.jp

(予告)ゲーム「NieR Replicant ver.1.22474487139...」を語る

~はじめに~

NieR Replicant ver.1.22474487139...」は全世界で大ヒットしているスクエニの「ニーアシリーズ」の2010年に発売された第一作「NieR Replicant」のバージョンアップ作品(リメイクではない)。ニーアシリーズは2021年2月にもスマホで最新作となる「NieR Re[in]carnation」が配信開始となるなど、今まさに盛り上がっているゲームである。著者はシリーズ未体験だが、発売当時、多くの話題を呼んだこの作品から始めてみようと思う。2021年4月22日発売予定。1周クリアする毎に更新予定。

 

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<公式サイト>

www.jp.square-enix.com

ゲーム「スターウォーズエピソード1 ファントム・メナス」を語る

~はじめに~

本日ご紹介する「スターウォーズエピソード1 ファントム・メナス」(以下、SW1)は1999年に発売された、PC・PS用ゲームである。現在の環境ではプレイできない場合も多いが、名作だった思い出があるため、簡単にご紹介する(一部記憶があいまいなので、事実と異なる可能性があります)。

 

 

          

 

 

 

 

◯SW1の魅力

 

①映画のストーリーを忠実に再現したストーリー

 本作は、多くの方が御覧になっているであろう、スターウォーズエピソード1にのストーリーに沿って物語が進行する。プライヤーはスターウォーズの登場人物の誰かとして、敵を倒したり・見方を救出したりする。映画で出てきた名シーンを自分でコントロールすることも可能であるし、映画では語られていない、裏で活躍する人々の雄志を体験することもできる。スターウォーズファンであればぜひ一度は体験してみたいゲームである。個人的には、パドメの護衛であるキャプテン・パナカを操作してのチャプターが一番おもしろかった(映画ではほとんどその活躍は見られない)。

 

 

②難解な操作・アクション

 本作は、ゲームが苦手な人には中々に困難なギミックや戦闘が多く存在する。例えば、フォースを使って遠くのスイッチを起動させたり、ロープを渡って敵地に侵入したりする。また、ジェダイは映画では基本ライトセイバーで戦うが、ゲーム中ではブラスターロケット砲爆弾など様々な武器を駆使して戦う必要がある(むしろライトセイバーはあまり使わないかも)。多くのステージは、一度で簡単にクリアできないような難易度になっており、何度も倒れてリスタートを繰り返してやっとクリアできる難易度である。また、個人的には、ドロイデカ(転がって移動し、攻撃時はシールドを張る強敵)を複数相手取りながら、ロケットランチャー的な物でなんとか倒していた記憶が印象的だ。

ドロイデカ|スター・ウォーズ公式

 

 

 

 

 

 

~最後に~

 短めにご紹介したが、このゲームの印象は「スターウォーズファンなら一度はやってみたいが、ゲーム好きしかクリアできず、ゲーム好きでもスターウォーズファンでないと最後までクリアできないような難解ゲーム」である。私もクリアまでにかなり時間が掛かった物出があるが、かなり楽しませて貰った。また、この派生ゲームである「Star Wars Epidode Ⅰ:Racer」もレースゲームとしてかなり完成度が高いゲームとなっている。レースゲームが好きな方は一度ぜひお試しあれ。

 

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西澤保彦著「七回死んだ男」感想(ネタバレ含む)

~はじめに~

 本日ご紹介するのは、西澤保彦著「七回死んだ男」である。西澤氏のミステリの魅力はなんと言っても「SF推理小説」である。本稿では、SF推理小説とは何かを中心に、作品の魅力を語っていく。

 

以下、ネタバレを含みます。

未読の方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

                

 

 

 

 

 七回死んだ男』(西澤 保彦):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部

~あらすじ~

ある正月、祖父の家に行った主人公。祖父には莫大な遺産があり、主人公の母親やその姉妹がその遺産を狙って火花を散らしていた。主人公は遺産には全く興味が無いのだが、祖父の奇抜な提案により遺産争いに否応なしに関わることとなる。しかし、そんな遺産争いのさなか、祖父の死体が発見される。いったいだれが祖父を殺したのか、なぜ殺したのか。様々な疑問を抱きながら取り調べを受ける主人公。しかし、時刻が0時を回り日付が変わった瞬間、主人公は寝床で目を覚ます。そう、主人公にはタイムリープのようにその日を何度も繰り返すことができる力があったのだ。この力を使い、主人公は祖父の死の真相の究明とその阻止を目指すのであった。

 

 

 

 

~おもしろいポイント~

①SF推理小説

西澤氏の真骨頂である「SF推理小説」。それはSF的な設定(本作では1日を何度も繰り返せること)推理小説に適用するというものだ。もちろん、何でもありのSF設定をそのまま推理小説に導入しても、とうてい論理的推理など不可能な無秩序なものとなってしまう。SF設定を導入しつつ、その設定に詳細な決まりや制限を明示することで、論理的な推理を可能にする、それが西澤氏のSF推理小説なのである。今回ご紹介する「七回死んだ男」においても、主人公は1日を何回も繰り返せるのであるが、いつでも何回でも自由に繰り返せるのではなく、発生は主人公の意思によらずランダムで起こり、繰り返す回数にも制限があり、そしてなにより、オリジナル(1回目)の改変も思いのままとは行かず、基本的にオリジナルに沿うように修正されていくなど、トンデモ設定でありながらロジックな推理を可能にしている。

 

②魅力的な人物関係

本作のもう一つの魅力は、登場人物の関係性や裏の事情設定である。本作の根幹にある、遺産争いには主人公の母親姉妹の抱える様々な事情や祖父の思惑が絡んでおり、それが謎解きのヒントになるのである(無くても真相は分かるが)。また、母親姉妹の子ども(主人公の従兄弟)立ちの間でも、恋愛感情が複雑にからみあい、それが真相の解明を更に難しくしている。このように、単に犯人を推理するだけでなく、登場人物の感情を含めて考えることで、この小説をより一層楽しむことができるのである。

 

 

 

 

 

~最後に~

本記事では「七回死んだ男」のみをご紹介したが、今回ご紹介した魅力は、西澤氏の他の作品にも共通することである。この作品を読んで中々おもしろいと感じた方は、「人格転移の殺人」や「瞬間移動死体」、「複製症候群」など他の作品もぜひ読んでみていただきたい。

 

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ゲーム「エイジオブエンパイアシリーズ」を語る

~はじめに~

今回ご紹介するのは、「エイジオブエンパイア」、通称AoEマイクロソフトが販売しているリアルタイムストラテジーゲームだ。PCゲームをする一の中では知名度が高く、その高いクオリティで根強い人気がある。今回は主にシリーズ2作目の「エイジオブエンパイア」について、語っていきたい。

 

 

            

 

 

 

 

 

 

 

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エイジオブエンパイアシリーズ一覧

 

エイジオブエンパイア(1997)

エイジオブエンパイアⅡ:エイジオブキング(1999)

エイジオブエンパイア(2005)

エイジオブエンパイア(2021年秋発売予定)

*その他、各種拡張版やリメイク、外伝作品あり

 

 

 

 

エイジオブエンパイアの概要・魅力~

AoE人類の歴史に沿ったアイテムやキャラクターを駆使しながら、資源を集め、町や軍隊を育成し、時には単独で、時には同盟を結んだチームと協力して敵を攻略するゲームである。歴史に残る戦争の中の登場人物を演じることもできるし、歴史とは全く関係ない敵チームとのバトルを楽しむこともできる。このように説明すると、今スマホゲームにあふれているリアルストラテジーゲームと似ていると感じるかもしれないが(むしろAoEが先駆けでスマホゲームはその類似品なのだが)、AoEには他では見られない魅力があふれている。

 

 

 

 

 

 

①歴史に忠実なアイテム・キャラクター

AoEの特徴はなんと言っても歴史ゲームであるという点だ。部隊となる時代は作品によって異なるが、例えばAoEⅡでは中世の覇権争いが舞台となっているし、AoEⅢでは大航海時代の新大陸開発が舞台となっている。プレーヤーはその時代に名をはせた数々の文明・国の中から1つを選択し、資源を貯め、町や軍隊を作り、時代を進化させて様々なテクノロジーを研究することで、その文明を発展させながら敵の攻略を目指すのだが、国によって使える兵器が違ったり、キャラクター(本作ではユニットと呼ぶ)も全く異なってくる。これら各文明で使える兵器・ユニットは実際に当時その国で使われていたものであり、その国の特徴を良く表している。歴史が好きな人はきっとその魅力に惹かれるだろうし、知らない人は勉強になるかもしれない。また、実際にはどこかの国が覇権争いを制したのだが、どの国を選んでも戦略次第では勝てるようにパワーバランスが調整されており、プレーヤーの腕次第で歴史に無いような下克上を演じることも可能だ。

 

②高い戦略性

AoEには剣士・槍兵・銃兵・砲兵・騎馬兵・攻城兵器・海軍など様々なユニットが登場する。それらの種類の数は膨大であり、実際に歴史の中で使われてきたものだ。実際にはこれらでどれが優れているかは決まっているだろうが、そこはゲーム、うまい具合にバランスが調整されている。中でも「すくみ制」はとても良い。例えば歩兵騎兵には弱いが攻城兵器などには強く、また騎兵槍兵に弱い、弓兵歩兵に強いなどである。この制度があるため、敵のユニットの種類に合わせて適切なユニットをぶつけることで、たとえ数の上で圧倒的に劣っていても、相手を殲滅することが可能となる。いかに相手の情報を知り、適切なユニットを育成してぶつけるかが重要となる。また、「射程」も重要である。弓兵や銃兵、投石機や見張り台、城など遠距離攻撃が可能なユニットには射程がそれぞれ設定されている。射程が長ければ、相手の攻撃が届かない射程外から攻撃を仕掛けることができ圧倒的有利となる。射程が長い弓兵をたくさん揃えれば、歩兵や騎馬兵が近づく前に殲滅することも可能だ。まだまだ語り尽くせないが、このようにAoEではただ歴史に忠実なだけではない、ゲーム性のあるルールが用意されているため、かなり戦略性が求められるゲームとなっている。

 

③同盟

AoEには「同盟制度」が存在する。実際の歴史の中でも各国々は、利害の一致する周辺諸国と軍事的同盟を締結し、強敵に対抗してきた。AoEでも同盟を組んで戦うことができ、資源を分けて貰ったり、交易をしたり、波状攻撃を仕掛けたりすることで、単独よりも圧倒的に有利に戦闘を進めることができる。むろん、敵も同盟を結ぶことができ、同盟軍が一気に攻めてきたときなどは冷や汗が出る。相手の同盟の中でも強弱が存在するため、比較的弱い方からつぶすのが定石だが、そちらを攻撃していると敵の同盟軍が救援にきて全滅、などということも少なくない。また、同盟内で交易をすることで、重要な資源であるを無尽蔵に増やすことができる。金を使わなくとも軍事ユニットは作成できるが、金を使うとより強い軍事ユニットを作ることができるため、金の保有量は戦局を大きく左右する。このように互いに同盟を組むことで、戦略を一気に広げることができる。

 

④研究

 AoEではユニットや建物を作成できるだけでなく、「研究」を行うことでそれらの性能をパワーアップさせることができる。例えば軍事ユニットであれば、HPや攻撃力、防御力、弓兵の射程などを何段階にもアップさせることができ、建物(例えば見張り台)であればHPや攻撃力、射程をアップさせられることはもちろん、大砲が撃てる砲台を建造できるようになったりする。これら研究によるアップグレードの有無は、軍事ユニットや建物の性能を大きく変化させるため、研究の前後ではもはや別の物と言っても過言ではなく、研究の有無が戦局を大きく左右する。もちろん研究は金を始め貴重な資源を大量に消費するため、無駄な研究は避け、必要な物を選択して研究していくという戦略性も必要となり、このゲームの魅力を更にアップさせている。

 

⑤チートコード

AoEではチートコードと呼ばれる物が存在し、それによりゲームバランスを大きく変えることができる。ゲーム中いつでも、エンターキーを押して特定のコードを入力するだけで町の建設や軍隊の作成に必要な資源を一瞬で得られたり、強力なユニットを出現させたりできる。チートと聞くといかさまで良くないことのように思われるが、適切に用いることでゲーム性を高めたり、難易度やゲームスピードを調整できたりする。おすすめは「aegis」というコードだ。ゲーム内では通常、資源の収集や建物の建設、研究、軍事ユニットの育成に所定の時間が掛かるのだが、このコードはそれらを全て0にする。つまり、資源さえあれば一瞬で建物を建てたり、軍隊を作成したりできるのだ。ただしこの効果は敵味方問わず全てのプレーヤーに適用されるため、敵が強くなることもお忘れ無く。このコードにより、ゲームのスピード感が増し、大軍vs大軍の連続など通常では中々見られない戦闘を楽しむことができる。普通のプレイになれてきたらぜひお試しあれ。

 

 

~最後に~

今回、AoEのついてご紹介してきたが、今回ご紹介した魅力はごくごくわずかである。実際にプレイしてみるともっともっと魅力を発見できることだろう。最初はおそらく独特なシステムもあって中々うまくいかないだろうが、徐々にやり方を身に付け、強敵を打ち倒したときの快感は一入だ。ぜひ、挫けずに、勝利までプレイを続けていただきたい。

 

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有栖川有栖著「女王国の城」感想(ネタバレ含む)

~はじめに~

本日ご紹介するのは、有栖川有栖著「女王国の城」である。有栖川氏の代表作としては名探偵「火村英生」が登場する、いわゆる「作家アリスシリーズ」が有名であり、ドラマ化され話題となったことも記憶に新しい。一方本日ご紹介する「女王国の城」は、名探偵「江神二郎」が登場する、いわゆる「学生アリスシリーズ」の一つである。火村英生ももちろん魅力的だが、江神二郎もまたひと味違った魅力を持っている。本日はその魅力を含めて語っていきたい。

 

以下、ネタバレを含みます。

未読の方はご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

                

 

 

 

 

 

 

 

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~あらすじ~

名探偵「江神二郎」が姿を消した。英都大学推理小説研究会(EMC)の部長を務める江神二郎は「ちょっと遠出する」といい残し、姿を見せなくなった。当然心配した有栖川有栖を含むEMCのメンバーは情報を集め、江神部長がとある宗教都市に向かったことを知る。EMCメンバーはなんとか宗教都市に潜入し江神部長と再会するも、そこで殺人事件が発生。事件を表に出したくない宗教団体によって、「城」に軟禁されてしまう。脱出するには事件を解決するしかない。そもそもなぜ事件を表に出したくないのか江神さんはなぜここに来たのか。様々な謎が交錯し、謎が深まる中でも、江神二郎の論理的で冷静な推理が全てを明らかにする。

 

 

 

 

 

~おもしろいポイント~

 

①超本格推理小説

まず一つ目の魅力は、有栖川氏の多くの作品で見られるように、ザ・本格ミステリである点だ。読者は探偵・江神二郎、主人公・有栖川有栖と共に情報を収集し、謎を解いていく。与えられる情報は読者・江神二郎・有栖川有栖全て同じである。ある時点で、全ての謎を解くために必要な情報が全て揃い、江神二郎も謎を解明する。この段階で「読者への挑戦状」が入る。更にその後もヒントとなる情報がプラスされていき、最後に種明かし、という流れである。読者は江神二郎のように早い段階で謎に気付くかもしれないし、有栖川有栖のように中々気付かないかもしれない。あなたがどのくらい江神二郎の推理に近づけるか、お試しあれ。

 

②魅力的な伏線

2つ目の魅力は、謎を解くためのヒントの出し方が素晴らしい。メインの謎を解くためのヒントを、ただ捜査していって発見するのではなく、過去にこの宗教都市で起こったいくつかの事件を紹介し、それらの謎を解いたとき、全く別物だと思っていたメインの謎のヒントとなる、という様にプロットが組まれており、最後に全ての話・謎が一つに繋がったときの快感は、一入である。

 

 

③魅力的な登場人物

推理小説ではしばしば、登場人物が多すぎたり、誰が誰だか分からなくなってしまうことがある。それは、登場人物に魅力・特徴などが不足しているからではなかろうか。その点、この作品の登場人物達は魅力にあふれている。特にEMCの5人のメンバー、アリス、江神さん、モチ(望月周平)、信長(織田光次郎)、マリア(有馬麻理亜)は特徴的だ。推理小説研究会と言っても推理小説には色々なジャンルがあり、派閥もある。例えばモチはエラリー・クイーン信者であるし、信長はハードボイルド好きである。こうした好みが、推理や行動に表れており、本格ミステリファンでない読者も色々な角度から楽しめるだろう。

 

 

 

 

 

 

~最後に~

今回ご紹介した「女王国の城」を含む「学生アリスシリーズ」は、全5作とされており、これまでに「月光ゲーム Yの悲劇'88」、「孤島パズル」、「双頭の悪魔」、「女王国の城」の4作が発表されている(短編集としては「江神二郎の洞察」もある)。もちろんシリーズを初めから全て読んでいただいた方が、EMCメンバーへの感情移入もしやすく、おもしろいと思う。それぞれ独立して読んでも、本格ミステリとしていずれも完成度の高い作品となっており、お楽しみいただけるだろう。最後の5作目の発表がいつになるか分からないが、楽しみに待ちたいと思う。

 

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~番外編~

おすすめのマンガ

 

(順不同)

鋼の錬金術師:ダークファンタジーの金字塔。張り巡らされた伏線を後半で一気に回収していく流れは秀逸。

②青の祓魔師:メインストリーはもちろん、ヒロインとの恋愛模様の行方も必見

銀の匙:爆笑必須の農業系マンガ。リアルな農業を描きつつ飽きさせないストーリーに読む手が止まらない。

3月のライオン:将棋マンガ。作中に登場する美味しそうな食べ物の数々によだれが止まらない。絵が可愛い。

アオアシ:サッカー漫画の最高傑作。JユースのしかもDFをメインにしたこれまでに無いストーリーとリアルなサッカー技術に引き込まれる。

鬼滅の刃:言うまでも無い今話題の一作。アニメ・映画も必見

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